2010年2月3日水曜日

どんな絵柄が浮かび上がってるのか?

「竜馬がゆく」を読み進めて、現在7冊目(全8巻)。薩長連合は成り、幕長戦争は終わり、亀山社中は海援隊と名を変えた。物語の終焉が近づいている。

「人は反物における縦糸の僅か一本に過ぎない」そんな事を感じながら、読んでいる。

多くの縦糸を並べて、それを、万人に平等に流れる時間と言う横糸で紡いでいくと、一つの反物ができあがる。

個人に関する記録というのは、今も昔も、そして洋の東西を問わず、残りにくいものだろう。きっと、僅かな痕跡としての「点」しか見つけられないと思う。この当時、西国を中心に駆け回り、色んな人と交流し、書簡を取り交わした竜馬ですら、さほど状況は変わらないのではないか。

それらの断片的な点をつないで、絡まったまゆ玉から糸を紡ぎ出し、それを縦糸にして並べて、時間の糸で編んで行くと、不思議な絵柄が浮かび上がる。それをどのような服に仕立てるのかは、作者の技量だが、反物としては、昔も今も変わらずに編まれ続けているハズ。

さて、今の時代を未来の人が見たら、どんな絵柄の反物になっているのだろう?誰かに服を作ってもらえるような上質な生地になっていることを期待するが、果たして。

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