2010年6月30日水曜日

無念...

日本のW杯南アフリカ大会が終わった。

最後は無情のPK。PKは運、と言われる。残念だが最後の試合、風が吹いてなかったということだろう。パラグアイ最後のキッカーが蹴るとき、日本代表イレブンが膝立ちになって、キーパー川島に念を送ってたシーンでは、本当に胸が熱くなった。

ゲームは互角。日本にも得点のチャンスがかなりあった。十分に勝てる試合だったので、なおさら残念感が残る。

今日は、これまでで最も世界に近づいた瞬間だったと思う。近づいたがゆえに、今までにない悔しさを感じる。格上相手に、力の差を見せつけられて、なおギリギリで凌いだ結果の敗戦ではなく、互角に戦い抜いた上での敗戦。プレーヤーもスタッフも、そしてサポーターも、新しい感覚を得たんじゃないかな。

8年前よりも確実に前に進んだ感じがする。今日の敗戦は、決してムダにはならないだろう。

課題は、やはり決定力不足だ。

時間内に得点していれば、問題はなかったはずだ。運に任せるしかないPKにまでもつれる時点で、力不足は否めない。どんな試合でもチャンスはある。そこで確実に決められる力が必要だ。オランダ戦のスナイデルを見れば明らかだ。玉田のように、シュートで終われない、つまり、相手に脅威を与えられないプレーヤーは、今後出番がなくなるだろう。

日本というチームの戦い方には、新たな光明が見えた。守備を固めて相手のエースに仕事をさせず、カウンターを狙う。オランダ、パラグアイ、デンマーク、カメルーン相手に通用した戦略は、しばらく使えるだろう。

最後に、W杯グループリーグの戦い方だが、本大会では決勝トーナメントを勝ち抜いた8チーム中、ガーナを除いた7チームが、グループリーグ1位通過だ。つまり、ベスト16を狙うなら、グループリーグ2位通過でも良いが、それ以上を望むなら1位通過は必要条件と思っておいた方が良い。

そんな中、ベスト8を掴むギリギリの所まで歩を進めた日本代表には、心から感謝を伝えたい。様々な意味で実りの多い大会だった。

ご苦労さま。そして、ありがとう。

2010年6月28日月曜日

サマータイム...ではない

二匹目のドジョウを狙う環境省の「国民運動」。あまりに浅はかで、刹那的で哀しくなる。

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クールビズの次は「朝型生活」、日光活用しCO2削減
http://www.asahi.com/eco/TKY201006210079.html

 家庭の二酸化炭素(CO2)排出量を減らそうと、環境省は21日から早寝早起きの朝型生活を呼びかけるキャンペーンを始めた。朝型生活で電力の使用を減らし、地球温暖化防止に役立てるのが狙い。
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まず、国民運動という位置づけが気に食わない。そもそも早起きな人は、人から、ましてや国から言われるまでもなく、早寝早起きを実践している訳だし、そうでないひとにとっては大きなお世話だ。

クールビズでもよく分かったが、日本人は、特に会社などの組織体では、自分の考えよりも、(都合の良い)大義を優先する傾向が極めて強い。実際、自分の上司も「長いものには巻かれないとしょうがないだろう」という考え方なので、良く分かる。

基本的に、都合の良い大義は都合の良く使われ、都合の悪い大義は無視されるので、政治的に使う場合は気をつけた方が良いだろう。

そして、早寝早起きを呼びかけると言うのは国の仕事ではないと思う。こんなのは、個人の心掛けの話であって、そこに「CO2排出削減」と言った空疎なニンジンをぶら下げたところで、何の意味もない。

今回の国民運動と同等以上の効果を持ち、国としてすべきなのは、サマータイムの導入だろう。これは実質的に早寝早起きと同義だ。

なぜ、サマータイムの導入についての議論を深めることなく、早寝早起きといった情緒的な施策を、短慮かつ刹那的に進めようとしているのか、そこに現政権の問題があるように思える。

2010年6月25日金曜日

決勝トーナメント進出!

下馬評ではほとんと不可能に近かった、決勝トーナメントへの進出が決まった。しかも、デンマークを3対1で下しての結果だ。

立ち上がりは予想と異なり、どちらかと言えばやや攻撃的に始まった。デンマークも普段とはフォーメーションが違ったらしく、トマソンのマークを見失っていたようにも見えた。いつもの安定した守備が若干浮き足立ち、何度も決定機を作られてヒヤヒヤする展開に。

そんな中でも、切れてる前3人がいつもの様にかき回し、慣れてきたMF2枚が、かなり攻撃参加できるようになってきた。皆が落ち着きを取り戻し、相手の動きに慣れてくると、いつもの安定感が戻った。

このW杯で一番良いのは、攻撃がシュートで終われるようになってきた事。今までのようにこねくり回してる内にボールを獲られるというシーンがないので、気持ちの切替えも早くなっている感じがする。観ている方も前向きに応援できる。

そして、素晴らしかったのはもちろんゴールシーン。FKが決まりにくい今大会において2つも成功させたのは、まさに日本の技術の高さを物語っている。最後の完全に崩してのゴールも、今までヤられることはあっても、ヤることができなかったシーンだと思う。

これでグループリーグ2勝1敗と、思いもよらぬ好成績で、2位通過となった。

次は、パラグアイ。今大会初の南米相手の試合になる。南米は個人技が強いイメージがあるが、今の日本代表は、個人技を組織で消すプレーが本当にうまく機能している。むしろ抑えやすい相手なのかもしれない。

決勝トーナメントに進出した段階で、既に今までの記録に並んだ。対戦相手は格上ばかり。失うものは何もなく、充実したサブのメンバーがフレッシュな状態で残っている。後は、悔いを残さぬよう、全力でぶつかって行くのみだ。

優勝目指して、頑張れ!日本!!

2010年6月23日水曜日

商店街の未来

商店街という枠組みが非常に弱いものになっているという事実は、私も活動を続けていく中で随所に感じています。チェーン店が増え、商店街加入店舗は減り、問い合わせメールアドレスは有名無実、商店街の意義すらも疑問視されているのではないでしょうか。

私がKozchiを提供することを思い立ったのは、街をもっと便利にする仕組みはできないだろうかということと、ネットは便利だけど街が弱体化する事に何とか歯止めはかけられないものかという、二点からです。

かつてはスーパーが街を破壊すると言われていましたが、今はネットです。個店は常に脅威に晒されていますが、街が活気を失っても良いと思っている人は一人もいないはずです。

リアル店舗はこれからネットとの親和性を高めつつリアル店舗の優位性を磨いていかなければいけないんだと思います。

商売を知らない私が偉そうな事を言って、すみません。

先のエントリーにも書きましたが、リアル店舗の優位性は「ついで買い」だと思います。そのためにはお店を繋いで、互いのサービスを可視化することが大事で、それがお客さまの満足を最大化することに繋がって行く、と考えています。

Kozchiはそのためのサービスです。だからコンセプトは「Connecting the Shops.」
もし、ご興味を持って頂けましたら、これも一つの機会ですので、どうぞお気軽にご用命下さい。いつでも説明に上がります。

これからもKozchiと本ブログをよろしくお願いします。

オランダ、撃破ならず

先週末のオランダ戦。敗戦。勝負の過程を見れば惜しかったが、ここは勝敗にこだわるべきW杯。良い勝負ができたことよりも、薄氷の勝利を喜びたい。

しかし次戦、デンマーク戦は引き分け以上で予選通過できる。そう考えると、オランダ戦における引き分けまたは僅差の敗北は、結論に影響なかったことになる。

結果として、良い勝負をしながら負けた事が、良い結果を生むのかもしれない。互いの勝敗が、その後のメンタルにまで影響するグループリーグは、奥が深い。

こんなに優位な立場で予選最終戦を迎えるとは思わなかったが、課題も多く見つかった。

まず、引き過ぎはダメだ。前半は様子を見る意味もあるのだろうが、引き過ぎていたように思う。相手に何らの脅威も与えられないようでは、相手の体力を奪う事すらもできない。

前線のサイド2選手は良かったが、本田がイマイチだった。ボールを待っているだけの選手ならば不要だ。やはり前線には、クロスを待つだけではなく、自力で打開できる選手が必要だろう。あまり攻撃に人数を割けない日本のようなチームならなおさらだ。

そういう意味では、玉田か森本に期待したい。

あと、中村俊輔はダメだ。松井の代わりに入った途端、チームのスピードが落ちた。なにせ、持ち過ぎるのが良くない。正確に言うと、勝負を仕掛ける訳でもないのにボールをコネすぎだと思う。

監督は「前線でタメを」と言っているようだが、現代サッカー、特に日本のような早いパス回しが命のサッカーにおいて、タメが必要な場面は多くないだろう。プレースキッカーも遠藤がいれば大丈夫となれば、俊輔の居場所はない。

次戦は、相手は勝たなければいけない訳だから、攻めてくるだろう。前半は徹底的に守勢に回ることが考えられる。今までの日本代表がそうだったように、攻め続けると後半確実に失速する。後半始まって10分と70分以降がチャンスだろう。それまでいかに体力を温存できるかと、交代のタイミングが鍵になる。

素人ながら自分なら、松井と大久保を後半に残しておきたい。前半はワントップでカウンター勝負をねらうとしたら、岡崎が良い。

松井、大久保、本田の代わりに、中村憲剛、稲本、岡崎でどうだろう?後半から憲剛、稲本に代えて松井、大久保。70分過ぎに岡崎に代えて本田。

いずれにせよ、予選突破は目の前だ!
頑張れ!!日本!!!

2010年6月21日月曜日

展示会初体験

先週末(水〜金)にビッグサイトで、ある展示会に出展した。いつも見る側で、運営側は始めてだったので、何かと新鮮だった。

準備は約3ヶ月間。

出し物は最初からある程度決まっていたので、全体像をどう作り込むかが課題だった。ステークホルダーが多いので、最後の最後まで決まらないのはいつもの事で、大企業病に冒されている当社の特徴とも言える。

それでも何とかまとめて、本番へ。

案ずるよりも産むが易しとはよく言ったもので、始まってみれば、多くの人が懸念したような定義の曖昧さやゴールの不透明さについては、ほとんど質問されるような事も無かった。

ありがたい事に来場者も、当社のブースに足を運んでくださる方も予想より多く、嬉しい悲鳴が上がっていた。

色んな人に役割を振ったあげくに、事務局としてできる事は幾つかあった。VIPの対応、全体の統括、説明員補助、集客、雑用など。何をするかは、やや迷う所だったが、泥臭い順にやっていく事にした。つまり、雑用>集客>説明員補助>全体の統括>VIPの対応という事。

後で聞くと、雑用はともかく集客(声掛け、呼び込み)をする人はほとんどいないとの事だったが、まぁ良しとしよう。結局、出ずっぱりになってしまい、気がついたら、昼飯を除くほとんどの時間をブース前をウロウロしていた事になる。

そのお陰かどうかは定かでないが、バーコードリーダーのカウンターで読み取れるだけで、来場者の1割ほどの方に足を運んでもらうことができたので、それなりに盛況だったと言えるだろう。

今後の展開に向けて、自分で自分のクビを絞めただけとも言えるが、所期の目的は達成できたと思う。

何か身になったかと問われると答えに窮するが、少なくとも良い経験になったし、今後の類似活動の、ある意味でのベンチマークになったと思う。

そう言えば、周りが唖然としていたのが、朝礼、終礼時のシュプレヒコール。あれが、意外に一体感とか高揚感とか、メンバーの気持ちに一滴のエッセンスを加えて、良い効果をもたらしていたように思う。ここも現場なんだな、と感じた。

Let's Smart!

2010年6月18日金曜日

リアルとネット

リアルとネットの対立軸の文脈で語られるのは、スーパー、デパート、コンビニなどばかりだ。でも、本当にネットとリアルの狭間で日々戦っているのは、個人商店や商店街だと思う。

飲食店はネットを活用し、なんらかの検索に引っかからないと、特に都会では存在しないも同然だし、物販店はより深刻な問題として、ネットの競合店が強い。

ネットは品揃えも豊富で、情報も整理されているので、目的を持った買い物には適していると思う。

何か欲しいもの/気になるものがあって、ボンヤリとでもキーワードが分かっていれば、目当ての商品に辿り着くのは簡単だ。類似商品の比較もできるし、配送までしてくれる。リアル店舗にはなかなか手の届かないサービスだと思う。

一方でネット店舗にも弱点はある。中身や手触り、大きさなどは、なかなかネットでは分かりにくいし、品質も分からない。家具なんかでも表面の感じや引き出しの感触が想像と違うとか、カニを買ったら思ったより小さかったなんてことは、皆が経験していることではないだろうか。

また、検索やリコメンドでは、ある関連性を持った商品しかでてこない。つまり、歩いててふと見つけたとか、目当ての商品の隣に置いてある商品が/も欲しくなったといった、日常的な買い物風景には追従できていないと言うことだ。

こういった領域では、まだまだリアル店舗の優位性は揺るがない。が逆に言えば、このような領域に注力しないと、リアル店舗の未来は無いとも言える。

(1)つまり、中身や手触り、品質をお客さまに見えるようにする事が大事で、対面商売である以上、そこはこだわり抜く必要があるだろう、と言う事。

(2)もう一つは、ついでの買い物を加速させる仕組みを持つ必要があると言う事。同じお店の中にある商品をついでに買ってもらうには、今までよりも意識的でシビアな商品選定や並べ方の工夫が必要だろう。

(3)さらに、お店をまたいで「ついで買い」を促すには、周りにどのようなお店があって、どのようなサービスを提供しているのかを知らせる必要がある。しかも、そのお店の顧客でもない、目の前の道を歩く人々に。

(1)(2)はお店の努力次第という側面が強い。(3)は1980年代くらいまでは商店街という枠組みが担うべき機能だったのかも知れないが、今やそれを期待するのも酷なぐらいに弱体化しているのが実態だ。

(3)が弱まると必然的に(1)(2)に強い店舗が単独で活動し始めることになり、ますます(3)の必要性が薄れて行くことになる。つまり、飲食店、美容院、チェーン店など強いお店だけが生き残り、個人商店は衰退するという図式が完成する。

しかし、最近よく見かけるシャッター商店街を見ると、この図式は正しい未来を指していないことが分かる。強くなれない弱い個は見捨てられ、強い個だけが残ると、結局その生態系は破綻することになる。これは、自然の摂理だろう。

大事なのは、弱い個も強い個もお互いに助け合いながら、全体系として発展して行く豊かな未来を志向することだろう。そして、個の利益と全体の利益は、背反したり無視したりするものではなく、同時に追求するべきものである、という認識を共有する事が大事だと思う。

そのためには、お店がお互いに繋がり合う事から始めるしかない。

Connecting the Shops.
http://www.kozchi.jp/

2010年6月16日水曜日

祝!W杯アウェー初勝利!!

日本がカメルーンに1x0で勝った。ジリジリと緊張感のある中、前半に獲った1点を守り切った。

日本は伝統的に70分以降に弱い。前大会のオーストラリア戦が顕著だったが、前半に頑張りすぎて後半失速。70分を過ぎた辺りから足が止まり、失点する。このパターンの敗戦は非常に脱力感を感じるが、懲りずに何度も苦汁を舐めてきた。そのせいもあってサッカー人気は低迷中だ。

今回は、70分過ぎても集中力を切らさず凌ぎ切ったことに、大きな価値があると思う。その力となったのは、前の3人だろう。

前の3人だけである程度(相手が脅威と感じる程度)の攻撃を成立させ、残り7人の体力を温存できていたように思う。「攻撃は最大の防御」と言うが、今回のような試合運びの事を指しているだろう。闇雲に攻撃するのではなく、効果的に攻撃する事で相手の攻撃を抑えると言う事。

これで、次のオランダ戦の戦い方が決まった。

前エントリーのストーリー通りだと、初戦に勝利した事で、確実に予選突破への道筋はついた。後の2戦は負けない事が大事だ。最低でも引き分け。そして、最高でも引き分けかもしれない。ベストシナリオは日本がオランダに引き分け、カメルーンがデンマークに勝つことだろう。

いずれにせよ、より守備的であることが望まれる。しかし、カメルーン戦で分かったように「攻撃は最大の防御」だ。

攻撃の3人に、より自由度を持たせる必要がある。これは、自力で展開してフィニッシュまで持っていける、と言うことを指す。中盤からのクロスボールを待っているだけのプレイヤーじゃダメだ。ドリブルで切り込んで行けないと。

そして、残りはやや守備的に。中盤は、どちらかというと体が強いよりもインターセプトが上手いことが求められると思う。

いずれにせよ、より攻撃的かつ守備的な布陣で勝ち点をゲットしてくれ!頑張れ!!ニッポン!!!

ところで、散々ネガティブな発言をしていたサッカー界の重鎮は、今後発言を控えてもらいたいものである。

無責任な立ち位置のセルジオ越後は、テレビ的なポジショントークを求められる事もあるだろうから良いとして、問題は釜本副会長だ。日本サッカー協会を代表する立場として、3敗を予想していた。自分が育てた組織を、選手を公の場でこき下ろすリーダーに、誰がついて行きたいだろうか。

即刻、退陣を求めた方がよいと思う。

2010年6月14日月曜日

FIFAワールドカップ2010開幕

6月11日に開幕して、いよいよ今日は日本×カメルーン。

グループEは、FIFAランキングで見ると日本が一番弱いのは間違いないが、何が起こるか分からないワールドカップという場を考えると、オランダだけが図抜けていて、後は状況次第と言えるのではないか。

その意味でも初戦は重要だ。

オランダが3勝または2勝1分けと予想する。楽観的に、実力が拮抗しているとすると、残り2試合で2勝するチームも2敗するチームもいないだろう。1勝1敗か、1勝1分けか、2分けか、1敗1分けか。つまり、デンマークかカメルーンに勝つ事が必要条件、そして、得失点差を最小に抑えるのが十分条件だ。

そのように考えると、日本×カメルーン戦は、その勝者が予選突破に大きく近づくと言っても過言ではないだろう。引き分けると苦しくなる。

つまり、取れる戦略はシンプルだ。初戦カメルーン戦は攻撃的に、次のオランダ戦は守備的に、最後のデンマーク戦は前二戦の状況を見ながら柔軟に、という事だろう。

よく、点を取らないと勝てないと言われるが、逆に点を取られなければ負けない訳で、この両方の戦略を効果的に使い分けられるチームが強いんだろうと思う。

日本は、試合単位でも切り替える事が難しいが、タレントが揃って来ると時間単位で切り替える事が可能になるんだろう。

いずれにせよ、今晩のカメルーン戦に勝つ以外に、道はない。頑張れ!ニッポン!!

2010年6月11日金曜日

Apple is not only techorogly company.

先日、iPhone4が発表された。リーク通りの製品で大きな驚きはなかったが、やはり正式にジョブズの口から発表されると、ワクワク感が全然違う。

今回のWWDCは、MacもiPodもiWorksもAppleTVもMobileMeも何にもなかったようだ。iPhoneのみ。今後、WWDCのようなビッグイベントではない日常の報告で、ビッグアップデートが目白押しなんだと思うと、これからの楽しみも多い。

一方で、ビッグイベントには「アップルはこういう会社ですよ」「こちらを向いて進みますよ」ということのアピールの意味も強い。その観点でiPhoneOSがiOSとなり、このタイミングで発表されたのは意義深い。

MacOSはSnowLeopard以降、サバティカルとも言うべき充電期間に入った。もちろん現状プラットフォームとして必要な機能は網羅され、洗練され、一定の完成度を見たという事だろう。

パーソナルコンピュータという一つの使い方が完成し、コンピューティングの歴史の一つの幕が降りた、という事かもしれない。そうすると、このパーソナルコンピュータの歴史は実質的にジョブズが開いて、ジョブズが閉めたという事になる。

iOSは新時代に向けた決意表明のようなもので、これから時代はクラウドへ、モバイルへ突き進んで行くことだろう。

ごく一部の人が使うマシンと、その他大勢が使うマシンは明確に分けられる。今まではなぜ、高機能、多機能なマシンがもてはやされてきたんだろう。何でもできるけど、一部の機能しか使わない無駄なマシンはいらない。

何でもできるマシンのためのOSは完成した。次は使い方/使われ方を絞った必要な機能、品質を備え、十分に安いマシン向けのOS、すなわちiOSだ。

iMac以来、"i"はコンシューマー向けのアイコンだ。プロは"MacOS"、コンシューマーは"iOS"。

基調講演の終わりに、ジョブズはこう言った。「アップルはテクノロジーだけの会社ではない」と。

もう技術だけで、どうこうできる時代じゃ無くなったんだろう。オープン・テクノロジーがインハウスのものより多機能・高品質であれば、なおさらだ。

そして、コンシューマーは移り気だ。何でもできる必要はないが、できる事にはこだわる。まさに、人々の生活シーンから未来を志向するアップルらしい立ち位置と言えるだろう。

2010年6月9日水曜日

ベクトルを合わせる

最近耳にした中で一番グッときた、というか目からウロコだったのが、助言業というビジネスだ。

助言業って、要はコンサルなんだと思うが、あえて「助言業」と分ける意味も必要もある、多くの示唆に富むビジネスだと感じた。

基本行動は、1.クライアントの意向を把握する、2.意向を分析して、手持ちの打ち手の中で適切なモノを選択し、提案する、となる。そして、報酬としてフィーをもらう。この流れは一般的なコンサルと同じだろう。

違いは、提案するという仕事を請け負うのではなく、提案の先にあるクライアントの実行が一つのゴールだと言う事。そして報酬は、提案に対してではなく、クライアントが得た便益に対して発生すると言う事だろうか。

つまり、いくら提案してもクライアントが納得して、実行してくれなければ一銭にもならない。そして、クライアントの便益または利益が高まらないと、自分の成績も上がらない。どれだけクライアントに寄り添えるか、が勝負になる。

人は本音と建前を使い分ける。どこに本音があって、本当はどうしたいのかを理解しなければならない。互いのベクトルを合わせる作業を繰り返しながら信頼関係を醸成し、長期継続関係をどうやって作り上げて行くかに注力する必要があるだろう。

これからは、こういったクライアントに寄り添い、ベクトルを合わせて、クライアントの便益・利益を最大化させることを目的としたビジネスに注目が集まるだろう。

2010年6月7日月曜日

iPhone特異点、東京

某企業のR&D施設見学で四日市へ行った。思ったよりも都会だった。駅前は道路も広く、整備も行き届いてたが、四日市らしさはよく分からなかった。

同行者がいたので、いつものように街を散策して、Kozchi特性を探るには至らなかったが、商店街はそれなりにしっかり存在していそうな感じがした。ジャスコの発祥地らしいが、撤退後の再開発が進んでないところを見ると、街の活性度はイマイチなのかもしれない。

その後大阪へ向かったが、気になる事が一つ。

四日市から大阪を通じて、iPhone比率が低い気がする。使ってる人はほとんど見かけない。東京の電車と比較すると、1/5~1/10ぐらいか。

iPhoneは国内で200万台とも300万台とも言われるが、そのほとんどは東京を中心とした首都圏に偏っているんじゃないか。大阪ですらそうならば、その他地方は言わずもがなだろう。

東京の電車に乗るとあまりのiPhone比率に、世の中の携帯電話はすべてiPhoneに置き換わってしまったんじゃないか、と言うぐらいに感じることがあるが、全くの錯覚だという事が分かる。

むしろ東京は、iPhoneの特異点なんだろう。

やはり、サービスのiPhone/iPadシフトはかなりリスキーで、そこにハマると小さなコミュニティのニッチなサービスに堕してしまうと思う。アップルのグローバル業績をベースにマクロ観測し、サービスの中心をiPhone/iPadにシフトするのは、現時点であまり得策ではないと思う。

Kozchi is a service not only for iPhone.
Connecting the Shops.
http://www.kozchi.jp/

2010年6月4日金曜日

やはり。。。

以前から色々と書いてきたけど、やっぱり鳩山はダメだった。悪法と莫大な借金を残して、最後の最後まで全てを他人のせいにして去ろうとしている。

やれ、お小遣いは秘書が勝手に受け取ったとか、国民が話をきいてくれなくなったとか、民主党の良いところを分かってくれないとか。反面教師として学ぶところは多いが、そんな事言ってる場合じゃないだろう。




「基本的に信用できない」との民主党評は我ながら正しかったと思うが、民主党を仕切る三悪人がいる限りは良くならないだろう。次は三悪人の一人、菅。これでまた、一年間の迷走が始まる。

こうやって、悪人を一人ずつ上がりポストに押しやって、一年間ずつのフリーハンドを与えて、ダメさを実感する/させる事でしか政治を変えて行くことができないとすれば、この国は大いなる独裁者の出現を待つしかないことになる。それは時として、大出血を伴う。

小泉さんのような優しい独裁者で何とかなった時代は終わった。安倍さんが一年で退陣した時点で、日本はマイルドな改革の道が閉ざされたと思っていいだろう。残るは、今わが国を仕切っている社会主義者の大嫌いな競争を行動原理とする、ハードな改革だけだ。

しかし菅では、その方向転換も一年以上先延ばしだ。つまりその後には、よりハードな改革が待っているということだろう。

ふと、クールビズだ国民運動だと、6月1日になったら何の疑いもなくネクタイを外す、行動に自主性のない国民性ゆえにこんな事になってるんだろうな、と感じた。ムードとかお祭り気分で、何も考えず/考えるフリだけして、皆やるから乗り遅れるな!と行動した結果だろう。

民主党を批判するなら、今こそネクタイを締める必要がある。

2010年6月2日水曜日

iPad、触ってきた

先日、電気屋さんに寄り道して、iPadを触ってきた。iPadは展示が充実しており、あまり並ばなくてもいいし、長く使っててもほとんど列ができないので、割と念入りに触れた。

結論。やはりiPhoneかな。

大きくて綺麗なディスプレイは確かに魅力的だ。スピードもレスポンスもよく、使っててストレスがない。前評判通り、MapやPhotoは秀逸だし、Safariも十分実用的だ。

でも今はiPhoneがいい。

理由の一つは入力。ソフトウェアキーボードは、そんなに悪くなかった。実際、5行くらい打ったら、タッチタイプできるぐらいには慣れた。でも、あれじゃ打つ姿勢とかシーンを限定しちゃうよね。フリック入力でもかなりの文字数を打ち込めるようになった現在、あのキーボードは少し面倒かな。だって、立ったままとか、歩きながらは使えない訳だから。

あと、常時接続と利用シーンのバランス。

iPhoneの良さは、携帯電話だからこその常時接続だ。いつも繋がっている機器だから、小さく、片手でも扱える必要がある。iPadは、3G接続機器にしては大きく重い。WiFiは使える場所が限られ、移動する日常の中では意外に使いにくい。無線接続と利用シーンやiPadの機能・性能の認知ギャップがあるように感じる。つまり、どこでも使えるように感じるのに、実際の利用可能エリアが思ったよりも小さいと言うこと。

今の自分の使い方だと、明らかにiPhoneを選ぶが、もちろんiPadが良いシーンもかなりある。特に、家庭内や施設内のナビゲーションには最適だろう。家庭内でカジュアルに使うマシンとして、医療施設で看護用機器として、学校、美術館、図書館、電気屋、喫茶店、保険を始めとする各種営業、ありとあらゆる施設や業務用途で使い道があるだろう。あくまでも、ピュアモバイルではなく席やテーブルがある程度前提になるモバイルで、ComposerよりはViewer寄りの使い方が向いている。

何でもできると思って購入するとガッカリすることになるが、明確な目的を持って導入すると、これほど使いやすいツールもないだろう。

iPadが後々、モバイルコンピューティングの定義を変えた歴史的一台と言われることは間違いなさそうだ。