2012年6月29日金曜日

首相官邸@ザ・キャピトル東急

こんな間近に見えるなんて。当然、色々検討した結果なんだろうけど、セキュリティに不安を感じずにはいられない…



2012年6月27日水曜日

使用環境を想定するか、使用する人の意見を聞くか?

商品開発の二つの方向性は、当然マーケティングにも影響がある。商品の使用環境を想定し、提供者側のシナリオ通りにユーザーを誘導するのか、それとも、ユーザーの意見を逐次取り入れ、それらを反映させた使用環境を構築するのかだ。

前者は事前のマーケティングが、後者は事後のマーケティングが重要になる。メーカーは事前にマーケティングを重ね、万全のポジショニングから次の一手を繰り出す。電機メーカーもそうだが化粧品メーカーのそれも面白い。

ネット系は事後のマーケティングが卓越している。とにかくローンチしてダメなら捨てる、という流れが加速している。

ここに別の考え方を改めて持ち込んだのがAppleだった。商品企画のためのマーケティングではなく、ブランディングのためのマーケティングとして。

マーケットの声を聞くと、機能過剰になる事が多い。多様な人に一つの商品コンセプトについて意見を求めると、当たり前だが無数のリクエストが出てくる。その意見に振り回されるとそもそもの軸がブレる。ブレないようにしようとすると、そもそもユーザーの意見を聞く必要も無いんじゃないかという結論になる。

考えてみれば、ユーザーに意見を聞くマーケティングが重要なのは、ユーザーが潜在的に解を持っている場合だけだ。つまり、今までの延長線上に商品開発がある場合に限られる。

商品サイクルが短く、多くの商品で実現できる事が想像できるようになった現代においては、今までの延長線上に解がない事が多い。こういった時代に旧来のマーケティングでは十分に力を発揮できないのは当然だ。日本の電機メーカーの凋落、Appleの躍進がその証左だろう。

これからはブランディングのためのマーケティングが重要になるが、商品企画の未来は?

前にも書いた事があるが、モノの本質を厳しく問われる時代になってくると思うので、いかに本質を削り出すか、余計なものを捨てられるかが勝負の分かれ目ではないだろうか。

2012年6月25日月曜日

商品開発の二択

商品開発には二つの方向性がある。

1) 早期の60%完成で、ユーザーの意見を汲み取る
2) ギリギリの95%完成で、ユーザーの意見は聞かない

ネットサービスは1で進める事が多い。開発のハードルが低いため、アイデアを素早くローンチする必要がある上、改修にかかるコストが相対的に小さく、結局はユーザーの意見を聞かないと分からない事が多いということだろう。

方やハードの開発の多くは2だろう。ユーザーの意見を聞いて改修すると金型から手を入れる必要があり、コストがかかりすぎるからだ。

この2つの方向性は、当然、開発者のメンタリティも支配する。つまり、1の環境で育った人は、なるべく早く形を見せたいと思っているが、2の環境にいる人には、なるべく遅く、大きな改修が不可能なタイミングまで待つインセンティブが働く。

あらゆる市場で商品の飽和が起こり、サイクルが短くなっている現代において、2のメンタリティを持つ企業も1の気持ちで進めなければならなくなってきている。

これらは中途半端に融合すると、エラい目に遭う訳だが、最近の建設業はまさにそんな状態だ。つまり、ギリギリの95%完成で、かつ、ユーザーの意見をできる限り汲み取ろうとする。

こういった商品開発活動は、事業収支と労働環境を極端に悪化させる事になるので、できれば避けなければならないが、気づかずに、そういった環境に陥っている事が多い。

2の代表的プレイヤーであるメーカーが不調なのは明らかなので、1に移行する必要があるのは確実だと思うが、今までのやり方をひっくり返す事は可能だろうか?

2012年6月22日金曜日

テストと本番の違い

もうすぐ始まる本番に向けて、順次テストを繰り返している。問題山積だが、徐々にその全貌を見せつつある。

その中で困るのが、テストの仕様と本番の仕様を混同する人が多いことだ。

つまり、テストの段階で使うかもしれない機能を、あたかも本番でも必要不可欠であるかのように大騒ぎし、意味なく開発のプライオリティを上げ、結果として提供先に機能を誤解させたり、開発スピードを鈍化させたりする。

どこに軸足を置くかで随分と考え方が変わりそうだが、そういった人は間違ったお客さま視点で物事を判断している場合が多い。

提供される側は、安く多くの機能が使えて、なおかつ、運用時の面倒まで見てくれるのであれば、それに対して抗う必要も理由もないだろう。

つまり提供する側のポリシーや仕分けだけが、機能の実装における意思決定要因と言える。そういったことの軸が明確になっていないまま提供先と話をすると、『場当たり的なお客さま視点』という間違った判断基準の罠に引っかかってしまう。

ポリシーを明確にした上で、テストと本番をしっかり分け、提供先が混乱しないような機能構成を、なるべく早い段階で提示する必要があるのだろう。

2012年6月20日水曜日

街頭義捐金なんて集まるの?

いまだに高校生を動員した義捐金活動を目にする事がある。先の地震ではボランティアと義捐金が今までにない規模で広がり、その効果を挙げたことは間違いないだろう。

しかし今時点で出口のよく見えない義捐金に協力する人が多いとは思えない。個人的にも万単位で拠出したし、今後も協力する事自体はやぶさかではないが、街中での義捐金活動に一々反応するほどではない。

特に今回明らかになったのは、ゴールの明確なボランティア/義捐金と、そうでないモノは価値が大きく違うという事だ。

何となく贖罪的な意味あいで参加しても長続きはしない。単に、困った時は助け合いましょう、といったフワッとした大義名分も既にインパクトがない。

そういった意味で、未だに義捐金集めに駆り出されている高校生達をみると、不憫でならない。既に多くの人にとって、心の整理はついており、義捐金も個人々々のレベルにおいて拠出済みだ。なので、今さらお願いされたところで、応えられる訳もない。

おそらく赤い羽根募金以上に意味がなくなっているように思うが、一体いつまで続ける気だろう。

2012年6月18日月曜日

祝!over 500 !!

気がついたら本ブログも500回を超えて、このエントリーが503本目。

最近は、場当たり的なグチを並べるようになってきたので、少しずつ起動修正して、未来の話をしていきたい。

このブログを書き始めた頃と比べても、社会は混迷の度を深め、個人的な環境は変わり続けた。

そう言った意味では、ブログを書き続け、この激動の時期のログを残せているのは、貴重な事かもしれない。

予定では、今後もさらに激動であり続けるので、さらにブログの役割は大きくなってくるだろう。

1000回を目指し、節目ごとに振り返る事で新しい気付きが得られればと思う。

2012年6月15日金曜日

期待を越えない行動

今日もまた、メイン議題の後にウダウダと答えの無い議論を続けていた一団がいた。

彼らの議論のベースは『万が一、お客さんからこんなリクエストを出てきたら、どう答えるか』というものだ。つまり、お客さんが気づかない、気づいたとしても「仕様です」と言えば納得してもらえるような事項に対して、「仕様」で逃げるのではなく、何かしらの答えを用意したいというもの。

彼らの言い分はいつもこうだ。
『お客さんの気持ちになって考える』
『お客さん視点で考える』

このように言われると、その不毛な議論にも何らかの答えを用意しないといけなくなる。別にお客さんの事を考えていない訳ではないが、コストとスケジュールと商品仕様を考え合わせた時に、その『万が一』という懸念は検討する意味を持たないと判断する場合に於いてもだ。

通常、期待を越える価値というのは、こういった『万が一』に事後的に対応する事ではないのは明らかだ。

なぜならこの行為は、期待を越える事が目的ではなく、単にクレームの量を減らしたいがための行動だからだ。本質的な仕様に関するアップグレードのための提案ではなく、重箱の隅をつつくがごとく細かい、将来何らかの意見が寄せられる可能性のある事項への、モグラたたき的対応だからだ。

例えて言うなら、11inch Macbook AirにSDスロットがない事に対するクレーム対策として、サードバーティ製のUSB-SDアダプタをバンドルするようなものだし、RGBディスプレイ端子がない事に対するクレーム対策として、筐体デザインを一部変更して、無理矢理RGB端子をねじ込むようなものだ。もっと言えば、取説がついていない事に対して、販売店で取説を作るように指示するようなものだと思う。

MacbookAirユーザーが、このようなクレームを出す可能性は低いが、ないとは言えない。万が一に備えて、クレーム対策を用意するか、仕様だと言って納得してもらうか、アップルが出す方向性は考えるまでもないだろう。

こんな議論に何時間も費やし、その対策にさらに何時間も費やしているのだから、日本企業は生産性が低いはずだし、こんな下らない議論のために週1~3日も出張してるんだから、利益率も上がらないのも当然だ。その結果、お客さんの期待を大して越えないんだから、報われない。

2012年6月13日水曜日

Apple / WWDC2012

年に1回のお祭りが始まった。WWDC2012。

開発者のためのカンファレンスと銘打ってはいるが、基調講演ではいつも新しい製品が発表される。2年前WWDC2010ではiPhone4、昨年WWDC2011ではOSX Lionが発表された。通常、メインは一つで、あとはアップデート情報が中心なのだが、そういった意味では、今回はかなり盛りだくさんな内容だと感じた。考えてみれば After Jobsとして初めてのWWDCなので、Cook色を打ち出したいだろうし、そういった意味での将来像を見せて行きたいというという意図もあるだろう。

今回はMac/OSX/iOSの三本立てだった。開発者向けなので、OSのアップデート情報は既定路線だろう。特にOSX Mountain Lionがすでにほぼ完成しており7月発売なので、これがメインかと思いきや、意外にあっさりとしたもんだった。

iOSの方は、かなり機能アップするiOS6を秋に公開するとの事で、これはiPhone5の発売時期予告でもあるだろう。iOSの機能も楽しみなものが多いが、iPhone5の話題がこれから半年かけてヒートアップしていくのは明らかで、うまい広報戦略だと思う。

二つのOSの進化以上に大きな話題だったのが、Macbookのアップデートだ。MacbookProにRetinaディスプレイモデルがラインアップされた。これはMacbookAirのモバイル性能とMacbookProのパワーを合わせもった製品で、最近のMacbook製品にしては高めだが、新しいラインとしてこれから売り出していく事を考えると、適切な価格で発売される。

最近のApple製品で個人的にも大きなインパクトを受けた、RetinaディスプレイとSSDをビルトインしたオールフラッシュメモリを同時に実装したもので、とんでもないパワーとインパクトを兼ね備えたマシンだと思う。Appleは古い技術を大胆に切り捨て、新しい技術を勇気を持って取り込み、新しい製品として仕立て上げる。DVDドライブは、Appleが標準化の口火を切り、Appleによってレガシーと位置づけられた。ゼロスピンドルがこれからの流れになっていくのは、もう間違いない。

ゼロスピンドルノートは、かつてVAIOでも作ってたように思うが、時代とのタイミングや製品の位置づけを適切さにおいて全くダメで、世間には受け入れられなかった。つまり、戦略不在だったという事だろう。Jobsがいなくても、AppleはPC/スマホ/タブレットの各分野で盤石だという事が強く印象づけられたWWDC2012だった。

2012年6月11日月曜日

1年前との比較@iPhone/softbank

1年ぶりにiPhoneに戻ってきた。iPhone4S。

1年前にiPhoneの呪縛から逃れようと解約し、docomoのガラケーとWimaxでのiPhone運用を試みたが、ガラケーもWimaxも出来が悪く、結局、iPhoneに戻ってきた。やっぱり使いやすい。でも、一つ気になったのが、Softbankの電波を以前に比べて弱い事。

以前はさほど感じなかったネットワークの弱さを感じる。

電波強度がフラフラと動いたり、圏外になったりする事が以前より多い。しかも一旦圏外になると、復帰までに時間がかかる。iPhoneユーザーの急拡大が原因なのか、Softbankのアンテナの弱さなのか、その両方なのか。7月中には、Softbankが獲得したプラチナバンドが使えるようになるはずだから、状況は徐々に好転していくと思いたい。

iPhone4に比べてかなり電池の保ちが悪いように感じる4Sだが、電波状況の悪さも一つの原因かもしれないので、7月以降、様々な意味で改善されていく事を期待している。

2012年6月8日金曜日

成功したら自分のおかげ、不調の場合はお前の検討が足りないせい

引き続き、資料作成について。

そうやって作成された資料は、立ち位置が非常に中途半端で、作った本人は浮かばれない事が多い。

つまり、説明がうまく行った時は『あの時の俺のアドバイスのお陰』、うまく行かなかった時は『お前の検討が足りない』と言う事になりがちだ。

そんな事態を避けたいがために、より一層自分の中で資料の完成度を高め、アドバイスをもらっても変更する時間がほとんどないタイミングで共有しようとする。

そんなこんなで、至る所に穴があき、詰め切れず準備不足で、自転車操業的になり、足りない仕様を相手に言われるがまま受け入れるしかなくなり、結果、利益率が下がる。

まずは、人の検討途中の意見に耳を傾け、細部ではなくストーリーを共有するべきだろう。その上で細部について、担当者と期日を決めて具体的に詰めて行く事が必要だと思う。

2012年6月6日水曜日

ドラフトという言葉を理解しない人たち

複数の人で資料を同時作成する時、資料のストーリーが伝わる途中段階で、関係者と共有する事にしている。資料の重複や過不足を防ぐためだ。

目的から言うと、絵コンテレベルの段階がベストだと思うが、重要な所は、もう少し作り込んでから共有する。もちろん資料としては中途半端で、テキストは推敲前、グラフィックも未完成、それらのレイアウトなんてあったもんじゃない。

こういった時に、往々にしているのが、ストーリーそのものには口を挟まず、テキストやグラフィックの完成度にケチをつけてくる人だ。

渡す時に、どんなに丁寧に、これはストーリーを見てもらいたい資料であって、細部はこれからだ、と伝えてもダメらしい。

実はこういったやり取りができない事が、結果的に生産性を落とし、事前に仕様を詰めきれない要因になっていると思われる。なぜなら、個人的に完成度の高い資料を期日のギリギリになって共有した所で、ストーリーは変えられないし、穴は埋められないし、新たなパーツを組み込む事もできないからだ。

これは、前エントリーの儲からない理由ともリンクするが、結局、完成品を見ないと判断できない想像力の弱さが根本原因なのかも知れない。

2012年6月4日月曜日

儲からない理由

会社が利益をあげて行くのに必要な考え方として、自ら引いた一線を守る、という事がある。

お客さんに提案する、ある一定の段階で仕様を明確にして、それに従った見積りをする。ここまでは当たり前だが、この後、その一線を守れるかが、利益率を大きく左右する。

様々な議論を重ねて行く中で、当初の仕様では不足する所が必ず出てくる。これを唯々諾々と呑み込む事で利益率は急落の一途を辿る。

対応策は二つで、仕様策定時の精度を上げる事と、追加的な仕様は別途予算としてもらう事だ。

前者は、ノウハウの共有や関係者の意識を高いレベルで揃える事や、何を第一とするかの明確な定義付けなどが必要となる。ここを疎かにすると、お客さんににも納得してもらえない。

後者は、自分たちが策定した仕様に対する自信と信頼、そして、お客さんとハードな交渉をする強い気持ちが大事だ。バランス感覚が問われる所でもある。

仕様を合意した後になって、お客さんよりも少し早く仕様の不備に気がついた場合に、自ら追加提案を当初仕様に盛り込む形で提案する人がいるが、個人的には正しいとは思えない。

建設業やSIerのようなプロセスを売り物にしている業態では、お客さんのためとか、お客さん目線で考える、といった美名の下で往々にして上記のような事が起こっており、それが利益を押し下げる要因になっている。

しかも、そういった行動を取る本人は、良かれと思ってやっていて、会社をダメにしている意識もない。これが当社のやり方、考え方だと言っている時点で、すでに思考停止していると言える。

利益率が上がらないと嘆きながら、自ら意図的に利益率を上げない行動を取っている事になる。

すっかり負け組扱いのソニーやシャープといったプロダクト系企業は、ちょっとした取組み方針の修整で力を取り戻す可能性が高いが、日本社会の、景気の良い時にしか通用しないメンタリティにどっぷりとハマっているプロセス系企業のドロ舟さは、筋金入りだ。

2012年6月1日金曜日

予測

人は誰しも何らかの予測をしながら生きている。小さな予測から大きな予測まで、色々ある。自分が予測した中で、比較的良く当たったものがいくつかある。


小さなものでは、展示会の来場者数の読み、なんてものもある。初日から三日目までの、自社ブースでカウントされるおおよその数字だ。一日千人単位が計上されるので、百の位の予測精度は、ノベルティやパンフレットなどの準備にとって非常に重要だ。先日の展示会において、5回目にして、個人的な予測精度はかなり上がったと感じた。


本業というか所属部署の行方を予測した事もある。衰退傾向と取り得る打ち手のようなものをレポートにしたが、ほぼ無視された。現実は自分が予想した方向に動いており他部署に吸収合併され、自分自身はそこから放出された。


昨今ではビッグデータという言葉が流行っているが、かつて自分としては「マイクロインフォメーション」というワードを作って、今後はマイクロインフォメーションの扱いが非常に重要になるし、どのようにして集めていくのか、分析していくのかを検討する必要がある、と説いていた時期があった。もちろん、ビッグデータという言葉が出てくるずいぶん前だ。


それよりも以前に、検索がカテゴリー検索から、キーワード検索に変わっていく流れの中で、デスクトップのメタファーもフォルダからバケツに変わっていくという議論をした事もある。何でもかんでもバケツに放り込んで、キーワードで抽出するようになるだろう、と。実際、Windowsはさておき、世の中の流れはそうなっている。特にタブレットPCやスマートフォンによって、その傾向は加速している。


他にもユビキタスという言葉が出てきた頃、本業こそがユビキタスのトリガーになり得るというレポートを書いたが、偉い人には「あり得ない」と言われた。だが実際は、そうなってきている。人に近い所で状態情報を獲得して、それらを分析した上で機器に情報を提供し、機器は情報に従って適切に運転を行う。それが流れだろう。


最近ではロケーションサービスについても、割と早い時期から検討している。モノになっていないのは、アプローチの問題か。いずれにせよ、人はバーチャルだけで生きられるものではなく、リアルの中でのやり取りに生活行動は帰結するはずなので、リアルにより近いロケーションサービスが必要と考え「メッケ!」に至った。スマホが出てくる随分前からだ。


現在は、新しい予測を立てて、企画を練っている。これはスマホならではだが、いずれこの領域での覇権争いが始まるものと思われる。何とかしたい。