2010年2月1日月曜日

AVATER

話題沸騰中の「アバター」を観た。折角なので3Dで見ようと思い、どうせならという事で、Dolby3Dで上映している映画館を探して、新宿まで出かけた。ちなみに、3Dの映写方式は3種類あって、中でもDolby3Dが最も自然に見えるらしい。

上映30分くらい前にチケット売り場に行ったら、すでに売り切れ寸前で、最前列か二列目しか空いてないとのこと。並び始めた時に残り席数の表示を見ると、到底回ってきそうにないと思ってたが、条件の悪さに諦めた人が多かったのか、奇跡的に入れた。二列目のかなり端の場所。

入る時に渡された3Dメガネを持って、席についた。少し掛けてみるが、メガネの上からでもいい感じ。かけると視界が少し暗くなる。映画館だからこそ許される仕様のような気がする。また、フレームが太いので視野が限定されて、隣の人が全く気にならず、集中して観れるという副次効果は大きかった。メガネの上からかけると、圧迫されて鼻が痛かったのは、唯一の難点と言えるかもしれない。

3時間もある長編映画だが、全く飽きることなく観られたのは、3Dよりも作品の力によるものだろう。3Dの物珍しさも、最初の数分で慣れてしまった。戦闘シーンのように、何かが飛んでくるような場面以外で、2Dよりもインパクトがあるだろうと思えるシーンは多くなかった。むしろ、惑星パンドラの美しさを観るなら、2Dがお勧めかもしれない。

ストーリーは、ダンス・ウィズ・ウルブスやラスト・サムライと思っていたら間違いはない。この展開はワンパターンだが、無理がなく面白い。伏線も分かりやすくしっかり作り込まれていて、全く不安感はない。さすが、ジェームス・キャメロン。新しい表現方法にチャレンジするために、安定感のある、奇を衒わないストーリーを選んだんだろう。

物質的な豊かさを追い求める人類と、精神的な繋がりを大切にするナヴィとの価値観の違いが主題。目に見える価値しか理解しようとしない人類と、目に見えない価値に重きを置くナヴィ、とも言える。最初から最後まで、見える、見えないのやりとりは続く。

生物と機械
主観と客観
抽象と具体

世にある争いのほとんどは、この映画に描かれたメタファーの中にあるような気がする。一方に見えるものが他方には見えない。一方の利は他方の害になり、利が大きいほど、害も大きくなる。

ある意味でポケモンや宮崎アニメのような世界観が、こんなにも幼稚にならずに、一流のエンターテイメントとして成立するためには、ストーリーもさることながら、細部にまで拘ったCGに依るところは大きいだろう。

CGは素直にすごい。僕たちは何を信じればいいのか、何を疑えばいいのか分からなくなる。細部にこだわる箏で、世界観に説得力が増していく。そこまでの作り込みが素晴らしい。

アニメでもなく、実写でもなく、CGだけでもなく、3Dだけでもない。映画が新しい表現能力を手に入れた画期的な作品であることは間違いないだろう。観るべし。

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