2012年5月28日月曜日

Facebookの混迷

FacebookIPOしたものの、株価が伸びない。売り出し価格よりも10ドルも下がっており、早くもFacebookバブルが弾けつつあるように思う。


そもそも、全てを透明にするなんていうコンセプトを受け入れられる人は極めて少ないだろう。別に隠し事があるわけではなくても、あえて明らかにする必要もない。普通の人の、極めて個人的な行動を見せられても、別に嬉しくもないし、楽しくもない。ごく稀に、異様に活動的な人がいて、その人が広範囲に影響力を発揮しながら活躍している姿を見る事ができるのには多少の意味があるとは思うが、そういった人は準芸能人のようなものだろう。


不特定多数に、自分の個人的な考えを吐露するBlogと、知り合いに限定してアピールするFacebookは、同じ情報公開にしても意味合いが随分違うように思うし、個人的にはFacebookにほとんど魅力を感じていない。


普通の人にとって、私生活の全てを明らかにするということはあり得ないということは、情報をアップデートする人は全体の10~20%程度しかいない事からも明らかだろう。ほとんどの人が「見てるだけ」な訳で、見られる事を目的にした特定の人が、声高に喧伝しているだけのように思う。


ただし、コミュニケーションのインフラとしては一定の役割を果たしている事もまた事実だと思う。知り合いへの連絡をFacebook経由でするという事は、おそらくさほど珍しくはないだろう。これは、Twitterでもいいし、mixiでもいいので、強い差別化要素にはならないが、そういった使い方をしている人がほとんどだろうと推察する。モバイルでの利用が多いのも、そういった事ではないかと思う。


こういった使い方には、ほとんど広告の入る隙間が無いので、今後も収益確保は難しいだろう。個人の属性を細かく把握する事で、より効果のある広告を出す事ができるという皮算用が、Facebookの期待値を押し上げる一つの要因だが、そこに収益が眠っている可能性はさほど高くないように思える。


このことが、Facebookバブルを早くも弾けさせつつある理由ではないだろうか。もとより、あまり期待していないが、少なくとも日本では早晩限界がくるような気がしてならない。

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