2012年10月3日水曜日

ceatec2012

かなり規模が縮小したように感じる。ブース間隔も、ブース裏のスペースも広い。日産は大きなスペースを割いてリーフを走らせていた。初日午後すぐで、小雨がパラついていたのもあるが、来場者も少なかったように思う。

自動車メーカーは、EVやコミューターの進化と家との融合がテーマだった。段々と車もコミュニケーションできるデバイスになりつつある。それもこれもスマートフォンが接着剤として機能しているからだが、今後、特定の機種に依存した開発にならない事を祈るばかりだ。

今までは日産が強かったイメージがあるが、家との融合で言えば、これからトヨタの強烈な巻き返しがあるだろう。道楽のように始めたトヨタホームが活きてきた。

家電では、ディスプレイが華やかだった時代は遥か遠く、どちらかと言えば切り口はスマート家電だ。そんな中でのディスプレイの目玉は4K、つまりHD×4の超解像度を持つスーパーテレビ。確かにHDのテレビと比べれば綺麗だけど、並べないと分からないレベルで、率直な感想としては、まだこんな事やってんの?という感じ。

解像度競争、サイズ競争、薄さ競争をして、結果として散々な目にあって、また解像度競争をする意味が分からない。当然、コンテンツは追いつかないし、追いつかせたいコンテンツも多くない。大型ディスプレイの終わりの始まりだろう。

それに引き換え面白かったのは、20インチ程度の大型タッチディスプレイ。大きなタブレットだが、動きがスムーズでインパクトがあった。この大きさはデスクトップでしかあり得ないから、実際に使えるシーンは多くなさそうだが、医療現場や教育現場で市場を作りそうな気がする。

メーカーで言うと、Sharpのプレゼン力の低さとSonyのコンパニオンの華やかさが目立ってた。

Sharpは大コケしたクアトロンに続いて、モスアイという技術が目玉のようだった。モスアイとは、蛾の目の構造からヒントを得た映り込みの少ないディスプレイ素材だ。一つのディスプレイを三分割してモスアイ有り/無し/低反射フィルムを比較して見せてたが、周りが映り込まないように設置されていたため、違いが分からない人がほとんどだったと思う。もったいない。

他にもIGZOやCOCOROBOなど話題の製品があったが、その特長が一目で理解できるような展示ではなかった。中でも哀しかったのは、シースルーの太陽光発電パネル。パネルの裏にコンパニオンを一人立たせて、ただ手を振らせてただけ。コンパニオンが不憫で涙が出る。

パナのスマート家電は、さほどスマートじゃないところに大企業病を感じた。外から炊飯器や洗濯機が動かせる事のメリットが、ほとんど理解できなかったし、ヘルスケア関係の機器も使い勝手が良さそうには見えなかった。残念。

あまり時間もなく、駆け足だったが、そんな中で存在感を見せてたのが村田製作所。

お馴染み、倒れないムラタセイサク君と、その技術を使った高齢者向け歩行補助用デバイス。見た目は懐かしのセグウェイに似ているが、乗れる訳ではなく、単に押すだけ。ただ、登りでは軽く引っ張り、下りでは軽くブレーキをかけてくれる。負担なく、身体のバランスだけをサポートしてくれるイメージ。これは良い。こういった形で身体機能をサポートするデバイスは、今後大いに可能性があるだろう。5年後の街の風景を変えているかもしれない。

これが気に入って、村田製作所ブースを見てみると、今まであまり気に留めなかった部品を作っている会社だと分かる。しかも、見るからに高品質だ。資料の統一感も良い。説明員も真摯さが伝わってくる。これが日本企業だ。

何か機会があれば協業したいが、ある建設会社とすでに手を組んでいるらしい。ちょっと残念。

CEATEC2012は、家電メーカーより自動車メーカーや部品メーカーが光った展示会だった。家電メーカーに再び光が当たる日が来るのだろうか。

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