2009年7月8日水曜日

イニシャル/ランニング2

イニシャルで稼ぐかランニングで稼ぐかは、とどのつまりは商売のネタとして、商品を選ぶのかサービスを選ぶのかに集約される、と言っては言いすぎだろうか?

商品を売ることをビジネスとすれば、自ずとイニシャルで稼ぐことになる。一方、サービスは形が無い分、何度でも利用してもらってランニングで稼ぐことが合理的なように思える。イニシャルでもランニングでも並列的に稼げるビジネスモデルが理想的だが、中々そうは行かないんだろう。

ランニングで稼ぎたいと言うのは、イニシャル偏重型ビジネスの行き詰まりに起因すると以前に書いたが、実態として上手く行った例は少ないと推察される。その理由として、それぞれに求められるビジネス上の力点が異なり、かつ、それに気付いている人が少ないからではないか、と考えている。ビジネスの必要条件はコンセプト、技術、デザインの3点であるとの前提に立って、以下の論を展開する。

イニシャルすなわち商品に求められる十分条件は、一にも二にも「品質」である。性能が飽和したいまの時代において、商品の優劣を決めるのは品質以外にないと思う。メーカーと呼ばれる会社は、ざっくり言うと商品を作っているのだから、品質を追及するのは自然の成り行きである。ゼネコンはサービスを売っているとも言えるが、イニシャルで稼ぐと言う意味で品質を追及せざるを得ない立ち位置にいる。

サービスは「ビジネスモデル」だ。サービスは商品と違って、掛かるコストがイマイチ明確ではない。そのため、ビジネスモデルすなわち稼ぎ方を明確にしておかないと、価格崩壊に歯止めが効かない。結果、無料化してしまうことになる。昨今のWebサービスの無料化は、ビジネスモデルをおざなりにして、人が集まれば広告で稼げるとの見通しが生んだものでもある。無料サービスで人を呼んで課金サービスに誘導する、という下劣な手段がまかり通るのも、ココの認識が甘いからだと思う。

良い商品を作っていっぱい売るか、シッカリしたビジネスモデルを作ってサービスを使ってもらうか、この二つの方向性は全く異なるため、一方のスタイルで邁進した人/企業が宗旨替えするのは容易ではない。だからこそ、イニシャルからランニングへのビジネスモデルの転換に成功事例が少ないのだと思う。

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