2009年12月28日月曜日

経営戦略で成功は結果論

今、通っている経営戦略のスクールはなかなか面白い。グループワークで、正解のない答えを考えるプロセスは、こういった作業に慣れてない身からすると、結構刺激的だ。

先日、アップルのケースを取り上げた。ジョブズが戻ってきて、iMacのヒット直後である1999年の話だ。

ジョブズが追い出されてからの10年間でCEOが4人代わっている。ジョブズ⇒スカリー⇒スピンドラー⇒アメリオ⇒ジョブズ、だ。このそれぞれの人の取った施策とその評価について、議論した。こういった過去の意思決定に対する評価は様々な軸で考えないと、正解に辿り着かないことが分かった。

これはもちろん、未来の意思決定においても評価軸は複数あって、それらを網羅しつつ、プライオリティをつけて判断しなければいけない、ということを物語っている。

特に間の二人である、スピンドラーとアメリオは、その連続性を理解しないと取った戦略オプションの意味や価値は分からないし、逆に連続性を重視しすぎると、そういったしがらみが一切無い時に取り得るオプションに目が向けられない。

実はどっちも大事で、事業方針の連続性、時代背景、そしてシンプルな戦略オプションは、それぞれを考える時に「ちょっと待てよ」と立ち止まって入れ子で考えられるセンスが不可欠だ。ただし、一人で考えながら網羅的に進めるのは限界があるし、思考の好みや癖もあるから、互いの検討のレベルが違いすぎて入れ子で検討できないこともままあるだろう。結局、バイアスの掛かった情報をもとに判断せざるを得ず、解答の妥当性は「神のみぞ知る」ということだろう。つまり、正解はないという事。

じゃあ、何のためにやるのかと言うと、少なくともオプションの存在を知っておいた方が良いという事と、思考の分岐点を理解する事で、見落としや状況変化に対して修正をしやすくなる、という事だろう。

であれば、思考のベースや判断の根拠になったチャートやテキスト等は残しておかなければならない。なんでこのオプションを選択したの?という時の状況や環境が最も大切だ。

選んだオプションの妥当性は、誰にも分からない。
結果論でしか評価されないので、情報収集が深く広く、判断において適切なバランスを直感的に、または論理的に取れる人だけが、偉大な経営者として歴史に名を刻む権利を得るのだろう。

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