2010年4月7日水曜日

整理から検索へ

Googleが世にでた10年ほど前から、情報の取り扱い方は大きく変わった。

それまでは(B.G.:Before Google)、情報と言えば整理するものだった。典型的なのがYahoo!だ。数多あるそして再現なく増えるインターネット上の情報全てを、カテゴリーごとに分類することで、使いやすいインターネット空間を作ろうと、躍起になっていた。あたかも、フォルダで書類を管理するかのように。

この方法は一定の成果を得て、非常にYahoo!は伸びた。でも、限界が近いこともすぐに分かった。大量のフォルダを整理するには、上位レイヤとしてのフォルダが必要になるからだ。また、複数のフォルダに該当する書類の扱い方も問題になる。

いきおい、階層構造は深く複雑になり、情報のコピーが増える。使いやすくしたつもりが、実はそんなに便利になってなかった、ということ。つまり、焼け石に水で、この「整理」という情報管理メタファーは破綻した。

Yahoo!的情報管理が行き詰まりを見せ始めたころ、Googleが出現した(A.G.:After Google)。Googleは、情報管理メタファーを「整理」から「検索」に切り替えた。正確にいうと「検索」という概念により忠実になった、というべきかもしれない。

情報登録が自動化され、コストは飛躍的に下がった。システムを維持するのに必要なのは、長期的にゼロに近づくサーバーやインフラのコストだけになり、情報整理に必要な手間人件費がなくなった。つまり、限界費用が限りなくゼロに近づいている。

誰かが作ったコンテンツを分析して、勝手にタグ付けして、キーワードで抽出できるようなプラットフォームを構築している。SEO/SEMなる言葉が流行り、検索結果としてリストされなければ、そのサイトは無いも同然とされた。

B.G.に検索が無かったかと言えば、そうでは無いし、A.G.においても整理は一定のプレゼンスを保っている。つまり、これらは背反的な二者択一の手法ではなく、両者の比重が時代に応じて変化してきている、という解釈が正しいのだろう。

A.G.的な考え方は当然、現在の世界のWebサービスでは主流だが、面白いことに、日本のWebサービスは「整理」のメタファーから抜けきれてないように思う。

楽天、Yahoo!Japan、ぐるなび、Foomoo(Hotpepper)、カカクコムなど。多くは、整理的な観点で情報を管理し、どちらかというとキーワード検索からのアクセスを軽んじているように見える。要はWebサービスの国際的な潮流から10年は遅れているんじゃないかな?

Kozchiには「整理」という概念がそもそもない。そして、コンテンツは勝手に作られるもの、という考え方もない。さらに、Webサービスは完全無料を目指している。つまり、新しい情報の扱い方を提案するものになる。

Yahoo!でもなくGoogleでもなく、増してや楽天やぐるなびでもない、新しいサービスが生まれる。

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