2010年4月2日金曜日

フリー

話題の本「フリー」を読み終わった。

購入は早かったが、しばらく積ん読状態が続き、読み始めてからも他の本に追い越され、なかなか先に進まなかった。今年に入って、14〜5冊目だと思うので、何とか1冊/週ぐらいのペースをキープしていることになる。

さてフリーだが、正直なところ読みにくい本だった。それが、他の本に追い越された理由でもあるのだが。

なんだか新しい概念のように書かれているが、ジレットの例を引くまでもなく、フリーの歴史は古い。建設業界でも、設計はフリーだったりすることが多い。そこに掛かるコストは当然、何らかの形で頂くのだが、目に見える形としては、フリーだ。アフターサービスも同じ。

結局、一つのビジネスの中でも換金しやすいものと、換金しづらいものがある訳で、どちらを表側に見せているか、というだけの事だと思う。もちろん、その組み合わせの妙のような事はある。

グーグルの「検索に広告を組み合わせる」というのは卓越した発想だと思うし、素晴らしいと思う。グーグルを初期から使っている身からすると、その収益化までの険しい道程は、何となく感じるものもある。

また、無料で試用させ、その後、一部の人に有料バージョンを買ってもらう、というのは適用範囲に制限はあれども普遍的だとも思う。それをフリーミアムと名付ける意味があったのかは、不明だが。

どこがお金に交換できる「価値ある部分」なのかは、冷静に見極める必要があるだろう。冷静さを失うと、フリーは何でも儲かる、もしくは、フリーではビジネスにならないといった、極端かつ単純な結論に陥りがちだ。

Kozchiもある種のフリーを志向している。無料試用期間を設けるのと同時に、無料期間終了後も無料で続けられる料金体系だ。もちろん機能を増やすと有料になるわけだが、この本で紹介されているビジネスモデルのハイブリッドタイプと考えられる。

この料金体系のアイデアを人に話したら、大体の人がフリーである必要はないんじゃないか、最初から有料コースに誘導して、しっかりと課金するべきだろう、と言っていた。おおよそ1年ほどまえの話である。

「フリー」を読んで得られた最大の収穫は、Kozchiの料金体系をまずはフリーで始めてみようと、それがベストな道だろうと、思えたことだ。

かったるい本なので、万人にはオススメできないが、フリーを含むビジネスモデルを考えている人は、一度読んでみても損はないだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿