2012年1月6日金曜日

AIDMAとポイント

先日、CCC(Tsutaya)の増田宗昭氏がテレビでT-pointカードの話をしていた。

元々はポイントカードの不便さを解消したくて作ったもので、別にTsutayaビジネスとの相乗効果を狙って、とかは何もないらしい。「T」も、TsutayaのTではなく、デザインとしてTが好きというだけ、とのこと。

ローカル通貨のような従来のポイントシステムは、店側にして見れば囲い込みの意味はあるのかもしれないが、ユーザーからすれば不便だし、そもそも囲い込まれたいと思ってる人はいないだろうということで、ポイントを貯める店、使う店の制約をなるべく取っ払った形で、ユーザーの利便性を最優先に考えた結果として、作られたものだそうだ。

そして、ポイント周りの登場人物として、ユーザー、店、システム管理会社の三者が存在するが、それぞれのメリットは次の通りに考えられている。ユーザー:ポイント蓄積並びに換金、店:ユーザー属性獲得によるマーケティング活用、システム管理会社:システム利用料の徴収。三者がいずれもメリットを得られるのはもちろんだが、特にユーザーの利便性が高い事が重要だろう。

ここで少し視点を変えて、マーケティングで古典的に活用されているフレームワークであるAIDMAで考えると、T-pointカードに限らず従来のポイントシステムは全て、最後のA(Action)の報酬としてのポイントだと言うことが分かる。

では、商品購買に至る前4段階(AIDM)には報酬を与えるだけの価値が無いのだろうか?

決してそうではないと思う。実際の購買にいかに繋げるかが大事であって、購買そのものは結果でしかないと言っては、言い過ぎだろうか。ただ、前4段階はその行動を定量化しづらく、また、その報酬を誰が払うべきか、という点と点を繋げることが難しいだけに過ぎない。

最も簡単な「Actionと報酬を繋げる事」は、システムの模索はあれどもコンセプトとしては、とっくの昔に完成している。T-pointカードは、一つに完成形と考えられる。

今後は、「AIDMのいずれかと報酬を繋げる事」が模索され、次世代のポイントシステムとして、Actionポイントと相反しない形で存在する事になるだろう。そしてそれは、Actionポイントよりも広範囲で多くのユーザーに活用されるものになるに違いない。

0 件のコメント:

コメントを投稿