2012年1月23日月曜日

Appleの顧客対策

手元にあったiPod nano(第一世代)のリコールがあった。実は2回目。原因はバッテリーで、どうやら発火のきけんがあるらしい。

1回目は2年ほど前だったか、ごく限られた個体に対して実施され、自分のnanoを見るとシリアルが該当しなかったのでスルー。今回は、第一世代全部が対象になっており、申請した。今まで筐体が熱くなることもなかったので、気にしていなかったが、万が一発火しても困るし、バッテリーの保ちが悪くなっていたのも事実なので、取り敢えずという気持ちで申請した。

今までのAppleの不具合品・故障品対策の基本は、部品ではなく商品そのものの交換なので、傷ついた筐体が綺麗になればラッキーぐらいで、あまり期待をしてなかった。交換には時間がかかり、正確にはよく覚えてないが、3週間ほどだろうか?使用頻度も高くないので、全く気にせず返却を待っていた。

戻ってきたnanoを見てビックリした。

最新のnanoに変身していたのだ。しかも8G。元々は確か2Gの商品だったから、容量が4倍に増えた。Nike+やラジオもついた。iPodnanoの時計機能も気になっていたので、素直に嬉しかった。すごい得した感じ。戻ってくるまでは、在庫を一掃するために全品対象のリコールを実施したのかと思っていたが、違った。

この一件でAppleが一層好きになったが、その戦略の見事さにも感心した。

5年前の商品のリコールに、3年経過時点では本当にクリティカルな個体だけを選別して対象とし、存在数が相当に少なくなったと思われる時点で全数に切り替える。会社としてのリスクとコストとリターンを最大化させることのできる戦略だと思う。安全は確保した上でロイヤルティを高める、AppleのCRMの真骨頂と言えるのではないだろうか?

凄いよ。日本のメーカーで同じことができるのは任天堂だけだろう。ソニーや東芝にも頑張って欲しいし、シャープのガラパゴスみたいに「買ったもの負け」みたいなことはやめて欲しい。

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