2012年1月9日月曜日

最も信頼できるレコメンド

食べログのやらせ書き込みが、新春のニュースを飾った。正直言って、そこまで食べログコメントに絶対の信頼を置いている人がいるとは思えないし、やらせ業者が跋扈していることは想定内だと思ってた。

Amazonだって、楽天だって、iTunes/App Storeだって、みんなある程度のやらせは存在するものだろう。

かといって、絶賛するコメントを見て訪問した客が、実際に体験してみてガッカリして、悪いコメントを書き込むから、コメントには自浄作用があると考えるのは、楽観的すぎるだろうと思う。だって、食べログにせよ、何にせよ、コメントを書き込む人は一握りで、おそらく5%にも満たないんじゃないかと思われる。まあ、限られた人たちの掛け合い漫才を横から眺めてる程度のことで、その評価が絶対なものにはなり得ない。

では、そういったコメントやレコメンドが全く無用のものかと言えば、そうでもなくて、評価はさておき事実関係は正しいことが多い。

一般的にレコメンドには3種類あり、それぞれがどのような特性を持っているかを理解しておけば、今回のようなやらせがどうという下らない話にはならないだろう。

一つ目がユーザー起点のレコメンド。評価軸も、そのレベルも様々で、全くアテにならない。コストを中心に考える人の評価と、食材や調味料を大事にしている人の評価と、雰囲気を重視する人の評価は全く違うだろう。システム側が提供する評価軸は一緒なので、評価者の数が増えれば増えるほど、その評価点は平均値に近づく。

二つ目はお店起点のレコメンド。自分勝手に評価するので、常に我田引水、良い事しか書かないだろう。一方でそこに書かれている事は、お店としてのウリなので、そこに限っては、誇張はあれど間違いは少ないのではないかと思う。例えば「眺望は最高」と書いてあっても、その眺望を活かしきれているかは別問題だし、ましてや味は分からないので、良く読み解く必要はある。

三つ目が第三者のレコメンド。有名なのはミシュランガイドだろう。これは、評価軸、評価レベルともに一定であり、評価としては唯一信頼に足るものだと思う。特にガイドの評価と自分の評価尺度が一致している場合は間違いないし、両者に乖離があったとしても個別に補正できれば問題ない。

既存のサービスで、例えば食べログはユーザー起点だし、ぐるなびはお店起点だが、第三者が与えるレコメンドを中心に置いているサービスは少ない。正確に言うと、昔は多かったように思うが、ネットの隆盛とともに減っていった印象がある。

実は、最も信頼に足るレコメンドは第三者が与えるものだが、ソーシャルという概念がそれに目隠しをしているように思える。ここにもソーシャルの限界がある。

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