2012年9月21日金曜日

再生可能エネルギーとは

原子力の立場がどんどん悪くなる一方で、再生可能エネルギーへの期待はどんどん膨らんでいる。ただ、再生可能エネルギーにどれほど期待できるのかは疑問だ。

まず、原子力とは質が違う事を認識しておく必要がある。原子力はベースロード、昼夜・天候を問わず一定の出力が得られることが特徴だが、再生可能エネルギーは基本的にお天気任せで昼夜でも出力変動が大きいので、ベースロードにはなり得ない。また、瞬発力を必要とする突発的なデマンドへの対応もできないため、火力とも同等とは言えない。

つまり、今までの電源構成の中で再生可能エネルギーに当たるものは無かったと言える。そういったエネルギーを積極的に導入するということは、電源構成のコンセプトを一から見直すということになる。

一方で、電力デマンドはある一定のプロファイルを持っている。これは、東日本大震災前後で変わらないし、今後もさほど変わらないだろう。にも関わらず、電源構成は変えなければいけないところに非常な悩みがある。

また、ベースロードが潤沢にあったので、夜間電力の積極的な活用に意味があったが、お天気任せの電力や、火力のようにアドホックな電力が増えたら、夜間電力に意味は無い。電力デマンドへの追従性も下がるので、基本的に省エネを進めて、全体を滑らかに下げるしかない。

さらに、問題は電源構成だけではなく、本質的にエネルギー密度が低い事が挙げられる。つまり、大きなエネルギーを獲得するには広い土地が必要だという事だ。そこまでして再生可能エネルギーを推す意味があるとは思えない。

人口が減ってくるので、必要な電力量も減ってくるだろうとは思う。ただ、それを賄うのに再生可能エネルギーに頼るのでは、あまりに力不足だろう。そして、エネルギー密度が低い再生可能エネルギーは田園風景を破壊するだろう事も付け加えておく必要がある。

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