2011年2月7日月曜日

整理から検索へ、そしてその先は?

情報検索の方法として一般的なのは、掘り下げ型だろう。つまり、メタな情報を順次詳細化して行く方法だ。Yahoo!検索やイエローページなどが分かりやすいかもしれない。

始めに地域やカテゴリー等のメタ情報を選択するリンクが並ぶ。そのリンクをクリックすると、その情報の配下に並べられたキーワードのリンクが並ぶ。そんな行為を数回繰り返すと、目的の情報に行き当たるという訳だ。

掘り下げ型は、整理好きな人には非常に好まれるやり方だろう。最近の片付け用語でいうと「定位置管理」ということだ。

大抵は2軸以上でカテゴライズされる。例えば、「東京都」「寿司」のように。場所と業種で区分けされた升目の中に入り込む情報の量は限られている。

限られてはいるが、場合に寄っては把握できないほどの量になってしまうので、升目を小さくする必要が出てくることが一つの課題だ。また、寿司とうどんが有名な店があったら、どちらに入れて良いのやら、というのも定位置管理を実施する上で必ず迷う点だろう。

さらに、定位置管理には部屋の片付けからも容易に想像できる欠点がある。

人の決めた定位置が自分にフィットするとは限らない、ということだ。どんなに美しく片付けられてても、どこに何があるかを明確に理解しているのは、片付けた=定位置を決めた人しかいない。他の人は、その人の価値観に合わせて行動せざるを得ない。それを心地よく、使いやすく感じるかどうかは微妙だと思う。

商店街やショッピングモールが提供しているホームページのガイド情報もそうで、従来の店舗検索は基本的に、掘り下げる階層の差こそあれ、カテゴライズされた定位置管理=掘り下げ型と言っていい。

掘り下げ型は、非常に美しく見栄えが良いので情報の整理には最適だが、「情報の整理」と「情報の検索」は全く異なるということを理解しておく必要がある。

つまり、見易くする事と、見つけ出せるようにする事は違う、ということだ。

その昔、今ほど情報が流通してなかった時は、見易くする事が、見つけ出せるようにする事だった。世の中を流通する情報量が飛躍的に増大したインターネット時代になって初めて、整理と検索は同義ではなくなったという事だろう。

検索という行為において、Yahoo!よりもGoogleに分があるのは、既に衆目の一致する所だが、Googleは旧来の意味での整理を何一つ行っていない。目の前にある情報が、どういったカテゴリに入っているかなんて気にもしていない。ただ、情報を情報として捉えているだけだ。情報と情報の間にどのような相関があるのかに着目し、一つの情報から類似の情報が得られるような仕組みを持っている。

これから益々広がっていくインターネットの中で溢れかえらんばかりの情報は、少なくとも「整理」という形では対応しきれないだろう。そして、「検索」という行為が一般的になった今、「整理」はその意義すらも問い直されているように思う。

今まで整理されてきた情報は、より新しい検索にフィットする形へと変化していくだろう。Facebookはソーシャルグラフを使い、検索の新しい形を提示している。Googleもローカル検索、つまり場所をトリガーとした情報検索を強化している。

人は、検索という行為を止める事は無い。情報をどうやって見つけ出すかの解はまだ見つかっていない。おそらく、シーン毎に適したやり方があるはずだろうと思う。決して万能な解はない。

マチカドサーチエンジンはその名の通り、街角で活躍する検索サービスを目指している。今ココで知りたい情報を獲得する、ということなのでリアルとの融和が不可欠だ。その架け橋としてステッカーとメールをツールにするのが最適と考えている。

Googleなんかと比較するのはおこがましいが、街角には街角なりの検索方法があっていいと思う。

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