2011年2月11日金曜日

建設業の未来(施工からの脱却)

10年ぐらい前に建設業の生きる道は、土地、空間、施工に特化する事だと思ってた。

ビジネスの未来を考えれば、「土地を持って開発の主体になる=リスクを負う」か「利用者にとって快適な空間を作る=付加価値を高める」の二つの選択肢が有望だと思えるが、既存の施工会社の中で考えると、会社に最も貢献できるのは施工領域だと思い、支援の仕組みを考えた。

しばらくして全くの無駄だと言う事に気がついた。施工領域を研究開発でサポートする事は、従来の枠組みではムリだ。

理由は簡単で、建設業の施工部隊にとって研究開発は本質ではないからだ。お金に余裕のある時はやってみてもイイけど、本気にはなれないよ、と言うのが現場のスタンス。なぜなら、現場ごとにパフォーマンスが評価されるから。初期はほぼ確実に余分なコストがかかる研究開発にコミットしたら、自分のパフォーマンス=評価が落ちるとなれば、新しい試みに賛同する人はいないだろう。

建設業が変わっていくためには、現場単位の採算評価を止めるべきだろう。会社としての大きなビジョンの中で、利益が生み出せればそれで良いわけだ。個々の案件を利益という視点だけで評価すると、どうしても現場責任者は保守的にならざるを得ない。つまり、新しいチャレンジもできなければ、自己変革もできない。

俯瞰した視点から見たときに、戦略的に損をする案件があっても良い。利益は生み出せなくても、技術が生み出せたり、教育に使えたりすれば、会社としてみた時のベネフィットにつながっているハズだ。

大きな会社には、できることなら大きな視点を持ってもらいたいと切に願う。逆に、そうでなければ未来はないとも言える。そういう時機は間近に迫っている。

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