2011年2月2日水曜日

戦略ストーリー

一橋大学教授 楠木健氏のロングセラー「ストーリーとしての競争戦略」で提唱される方法論。実はまだ読んでないので、あまり詳しくは知らないが、先日の東洋経済で特集されていた記事を読んだ。

この本については、以前にもこのブログで紹介した事がある。その時は一見非合理な施策が成功の鍵になるという事について、明治維新などの例を引いて自分の考えを述べた。

最近、ヤマト運輸小倉昌男氏の名著「経営学」を読んでいて、そのうち紹介できると思うが、宅急便というサービスを開発した頃のエピソードがある。頻繁に「サービスが先、利益が後」という言葉が繰り返される。これなんか、サラリーマンにしてみれば、明らかに非合理だろう。本著の中でも、この類いの言葉は社長しか言えない、と述べられている。そういった俯瞰した視点と権限と責任を持っている人にしか言えない言葉や施策が、一見非合理なんだと思う。

さて、東洋経済の特集では様々なケースで戦略ストーリーをビジュアル化しており、非常に参考になった。

SWOT(Strength/Weakness/Oppotunity/Thread)や5-forcesのように状況を整理するものではない。また、PPM(Product Portforio Manegement)のように商品の見通しを評価するものでもなければ、ブルー・オーシャンのように機能に分解して分析するものでもない。

戦略ストーリーは、期待効用の連鎖を可視化したものとでもいったら良いだろうか。まさに、ビジネスの流れをプロットするものと言える。競合との関係や社内の環境よりも、コンセプトを実現する為の打ち手と効用を最終的なベネフィットにいかにつなげていくか、という連鎖にフォーカスする非常に目新しいメソッドだと感じた。

だから、強みを強化したらとか、弱みを捨て去ったらとか、そういった技術論は入り込む余地がない。それらよりも上位に位置するビジネスの幹にあたるものが、戦略ストーリーと言えるだろう。

ということで、Kozchi「マチカドサーチエンジン」の戦略ストーリーを作ってみた。



まだまだ非常に初期段階で足踏みしているので、ここに書いたストーリーのループが全て実現している訳ではないが、大きな流れは描く事ができたので、次にやるべき事が明確になったように思う。次回のエントリーで少し詳しく説明してみようと思う。

具体的な策が得られる訳ではないが、現在地や目的地を確認するための、ガイドマップを作成することができる有用なメソッドと感じた。

0 件のコメント:

コメントを投稿