2011年11月14日月曜日

何を有償で、そして何を無償でサービスするべきか

カンブリア宮殿で大垣共立銀行を取り上げていた。地域シェア80%を超え、日経金融機関ランキング顧客満足度3位に輝いた地方銀行だ。

社長は、銀行は金融業ではなくサービス業だと言い切る。実際、コンビニのようなサービスがいっぱいで、面白いのは学校帰りの中学生が銀行に寄り道し、立ち読みを楽しんでいることだ。他にどこの銀行に、中学生の存在する余地があるだろうか。

サービス業と言っているのは、もちろん間違っている訳ではなくて、銀行は金融サービスを提供する企業だ。ただ、そのサービスが定義する範囲の広さだけが違うのだろう。

ある時期からコンビニにATMが設置されてきた。コンビニから見ると当然ながら物販がメインで、ATMは人寄せパンダ。銀行がコンビニ化するときは金融業務が中心で、コンビニ的なサービスはあくまでもCS向上施策。

コンビニが銀行をサービスにする方がいいか、銀行がコンビニをサービスする方がいいか、どっちなんだろう?

両者ともに本業でしっかり稼ぐ前提に立って、客の目線で見ると、コンビニのATMサービスは「便利さ」があり、銀行のコンビニサービスは「楽しさ」がある。また、客が支払うコストを考えると、前者は通常の手数料、後者は無料である。単に便利であることと無料で楽しいことを比べると後者のほうが優位だが、どちらのサービスもないと困る。


大垣共立銀行の事例から、2つのことが分かる。
一つは、会社もしくは業種/業界のコアを明確にすることだろう。収益の源泉であり、差別化要素となる領域を確立することが大事だ。銀行は窓口業務だろうし、コンビニは品揃えなんじゃないかな。
もう一つは、会社もしくは業種/業界が互いに侵食しあう領域を認識することだろう。銀行はATM、コンビニは人が集う目的と言えるかも知れない。

ゼネコンにおいても、Kozchiのようなネットサービスにおいても同じだろう。

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