2012年6月25日月曜日

商品開発の二択

商品開発には二つの方向性がある。

1) 早期の60%完成で、ユーザーの意見を汲み取る
2) ギリギリの95%完成で、ユーザーの意見は聞かない

ネットサービスは1で進める事が多い。開発のハードルが低いため、アイデアを素早くローンチする必要がある上、改修にかかるコストが相対的に小さく、結局はユーザーの意見を聞かないと分からない事が多いということだろう。

方やハードの開発の多くは2だろう。ユーザーの意見を聞いて改修すると金型から手を入れる必要があり、コストがかかりすぎるからだ。

この2つの方向性は、当然、開発者のメンタリティも支配する。つまり、1の環境で育った人は、なるべく早く形を見せたいと思っているが、2の環境にいる人には、なるべく遅く、大きな改修が不可能なタイミングまで待つインセンティブが働く。

あらゆる市場で商品の飽和が起こり、サイクルが短くなっている現代において、2のメンタリティを持つ企業も1の気持ちで進めなければならなくなってきている。

これらは中途半端に融合すると、エラい目に遭う訳だが、最近の建設業はまさにそんな状態だ。つまり、ギリギリの95%完成で、かつ、ユーザーの意見をできる限り汲み取ろうとする。

こういった商品開発活動は、事業収支と労働環境を極端に悪化させる事になるので、できれば避けなければならないが、気づかずに、そういった環境に陥っている事が多い。

2の代表的プレイヤーであるメーカーが不調なのは明らかなので、1に移行する必要があるのは確実だと思うが、今までのやり方をひっくり返す事は可能だろうか?

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