2010年7月21日水曜日

スポーツとベンチャービジネス

W杯前後で、本田選手が様々なメディアに露出し、自らの考え方を語っていた。彼のような、口に出して自らにプレッシャーを与えることで成功確率を高める、有言実行タイプには、おそらく必要なプロセスだろうと思う。自分への自信を一定以上に持ってないと取れないスタイルだが、うまく回れば成長は早い。

その中でも、とても気になった幼少期のエピソードがあった。

子供の頃から当然、上手下手の差はある。大人のそれよりは遥かに小さな違いだが。多分、本田選手は足はダントツに速かった訳ではないんだろうと思う。自分には好きで得意な分野がある。そこに自分よりも才能があるように見えるライバルがいる。そんな時、どうするだろう?

何となく、あくまでも主観だが、日本人的メンタリティとしては「あいつにはかなわない」として諦めるか、「あいつを負かしてやる」と足の速さを追求するか、どちらかのように思う。つまり、才能は努力に勝ると考えるか、努力は才能に勝ると考えるかの二択で物事を判断してそうな気がする。特に子供の頃は、得意な才能を活かす役割分担なんかは頭にないから、一つダメなら全部ダメ、となりがちだ。

本田選手は、そうじゃなかった。「足が早くないと、世界レベルになれないのか?」「足の速さが一番じゃないヤツは夢を諦めなきゃいけないのか?」と考えたという。結論は当然、「そうじゃないだろう!」

多少足の速さで劣ったとしても、別の才能とそれに見合ったポジションが見つかれば、十分に世界レベルで活躍できるはずだ、と。才能とポジションを見つけられたら、世界一の練習を積め重ねていくだけだ、と。

多分、指導者なり保護者のアドバイスがあったんだろうとは思うが、幼少期に正しい方向付けがされた訳だ。ベースに本人の気持ちや練習に取り組む態度があるのは間違いないが。

少し話は変わるが、ベンチャーキャピタルのIVSで代表をしている小林さんも最近のブログで、ファンド資金を集めるのに、なかなか苦労されている様子を書かれていた。小林さんは前職グロービスVCでグリーを発掘した事でも有名だが、前職の実績が資金集めの役に立つ事はあまりないそうだ。とにかく、現職でのトラックレコードがないと話にならない、と。

新しいビジネスを立ち上げようとすると、必ず出てくるのがトラックレコードの問題。資金を持ってそうな人やアドバイスをくれそうな人に話をすると、今までどういった事業の立ち上げてきて、その結果はどうだったのか?を問われる。

「トラックレコードが無いと、何にもできないのか?してはいけないのか?」と言うと、決してそんな事はないと思うが、サラリーマンでいると、事業立ち上げのチャンスなんてなかなか遭遇しないので、社内外から様々な形で試してみるしかない。人様に胸を張って紹介できるほどの実績を作るのも、かなり難易度が高いが、やるしかない。

逆に言えば、トラックレコードさえできてしまえば、こっちのもんだ。動かし始めは大変だが、動き出してしまえば何と言うことのない話だろう。

今は、人様に紹介できるトラックレコードをいかに作るか、それに注力したい。

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