2010年7月28日水曜日

小さな命が呼ぶとき

面白さという観点では、5段階評価で3ぐらいか。

実話ならではのリアリティのある情熱や行動力に、自分が同じ境遇だったら、という想像が絡み付いて、見入ってしまう映画だった。ハリソン・フォードが演じるストーンヒル博士の濃いキャラクターがなければ、映画としては成立しづらい感じだったかもしれない。

障害を持つ子供の親の行動力が、世の中を前に進ませる原動力になることはよくある。北朝鮮拉致被害者も同じような感じなんだろう。

状況を打開するためについた軽い嘘を現実のものにする為に、西奔東走することになる主人公。でも、その頑張りが、新たな繋がりをつくり、情熱の相乗効果が良い結果を生み出す。

何より、ビジネスを前に進ませるのは、並大抵の決断力では間に合わない事がよく分かった。何をゴールにするかによっても、随分と方向が変わる。

博士は、自分の理論の完成をゴールと考えている。自分のアイデアに固執しているので、なるべく秘密にしたいし、事業化するなら自分の利得を最大化したい。つまり、事業化するための金は欲しいけど、口を挟まれたりして、自分の思うようにできなくなるんだったらノーサンキューというタイプ。

一方の主人公は、子供の病気を治す事しか考えていない。子供の病気を治すためなら、法に触れない限りは、何をしてもいいだろうというタイプ。

子供のために、パートナーにとって非情な選択を繰り返す主人公。パートナーにして見れば、こいつと出会わなければ、、、と感じるシチュエーションの連続だろう。

主人公の行動や言っていることは正しいが、パートナーの気持ちも分かる。主人公がこの映画の状況でのインサイダー(障害を持つ子供の親)なので、余計に正論を言われると戸惑うだろう。こいつは客観的に判断しているのか、それとも自分の子供を助けたいがための詭弁を操っているのか。。。

ミステリーのように伏線やどんでん返しがないので、ストーリーに深みが無い、と言ってしまえばそれまでだが、軽いジャブのような揺さぶりは最後まで続く。

実話だけに下手に間引くと、とんでもなく平坦なストーリーになる可能性があり、2時間弱の中に収めるのは難しかったのではないかと思う。できれば、ドラマで見たい。

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