2010年11月17日水曜日

変動ニーズと固定ニーズ

ここの所、ニーズについて考えていた。

ニーズってよく、顕在/潜在で分類される。顕在ニーズはすでに明らかになっているもの、潜在ニーズはまだ明確ではないけど、何らかのきっかけて表出するものを示す。

また、具体と抽象で分けられる事もあるし、ニーズの定義を拡げて、ニーズとウォンツで分類することもあるだろう。

これらの分類は、どれもニーズのあり方を、違う軸で表現しているに過ぎない。顕在/潜在はそのニーズの表出度合いを示しているし、具体/抽象はニーズの認知レベルを表している。例えば、平和を望むというニーズは顕在+抽象と言えるだろう。

これらとは全く違う軸で、変動/固定というニーズ分類があるように思う。ラーメン屋に対するニーズと本屋に対するニーズの違いが端的かも知れない。

ラーメン屋は店ごとに味が異なり、それがお客さんを惹きつける主要因になっている。つまり、ラーメン屋は多彩な品質のバリエーションが消費者のニーズを生み、変動させていると言える。

一方で本は、新刊本であれば、その品質に揺らぎはない。それゆえ、本を求める時の、すなわち本屋を探す時の一番の選択要因は、規模が大きいか、そして身近にあるかどうかといった、商品に関係のないところになる。つまり、商品に対してはニーズが固定されているのだ。

こういったニーズへの対応を一纏めにするのは間違いだろう。

変動ニーズでは、こちらのメニュー、あちらのサービス、むこうの評判といった形で、「消費者の嗜好に向けた選択肢」を見せる事が大事だが、固定ニーズでは、身近にはこんな店が存在するという「存在の選択肢」を見せる事が必要になってくるのである。

実は、日常生活はほとんどが後者の概念、すなわち「存在の選択肢」の中にあると思う。でも、今までのサービスって前者を対象にしたものが多いんだよね。

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