2011年7月6日水曜日

マーケティング5領域

最近は「買い回り」という言葉について、よく考えている。

先のエントリーにも書いたように、一つの対比軸は「来店」という言葉だ。つまり、お店もしくは施設に来てもらうまでをゴールと考えるか、その後も買い物を継続してもらうことをゴールとするかの違いだ。実は、その間に来店後に商品なりサービスを買ってもらうまでをゴールとする考え方もあり、大きくは3つの集客レベルがあると考えている。

つまり、「来店」「買い物」「買い回り」ということだ。

縦軸にこれらの集客レベルをおき、横軸に情報の到達距離をおく事で、新しいマーケティングマトリクスが表現できそうな気がしている。今日のエントリーは、まず集客レベルについて、この3つのレベルをベースに5つのマーケティング領域があるのではないかという話をしたい。

(1)牧歌的マーケティング領域
純粋に来店だけを考えたもの。昔ながらのイエローページやよくある地域ポータルなんかが当てはまると思う。お店の存在は見つかるが、それ以上ではない。欲得を考えずに、ただ情報を公開するというスタンスで、昔はこんなサイトばかりだった。

(2)古典的マーケティング領域
来店と買い物の中間領域。お店に来てもらい買い物をしてもらう、メーリングリストやチラシが分かりやすいかも知れない。昔からある方法で、今もそれなりに効果があるように思われているが、実際は影響力がかなり低下している。ネットで言うと、食べログやぐるなびもそうかもしれない。また、新しい所ではTwitterでのお店の紹介みたいなものも、この領域に入りそうな気がする。

(3)肉食系マーケティング領域
買い物に焦点を当てた施策で、最近ではグルーポンやフェイスブックチェックインクーポンなどが当てはまる。かといって、さほど新しい施策でもなく、古くからあるポイントカードやホットペッパーもこのカテゴリーに入るだろう。要は、おトク感を餌に、インセンティブに重きをおいたものになる。

(4)草食系マーケティング領域
買い物と買い回りの中間領域で、現在のところ当てはまるのは当社が提供しているサービスだけだと思う。つまり、個々のお店への来店よりも、エリアとしての集客に注目したサービスになる。エリア内での買い回りが増えれば、必然的に個々のお店も潤うハズという考えの下、共助を中心に据え、「見つける」から「見つかる」へのパラダイムシフトを目指している。

(5)植物系マーケティング領域
買い回りに絞ったやり方で、大規模集客施設で必ずある案内板やガイドマップが相当する。これらは買い物に対するインセンティブを与える訳ではなく、個々のお店が行う来客促進というよりは、施設が行う買い回り行動支援といった方がしっくりくる。あると便利だが、ほとんど出番は無いというものだろう。

以上、5つのマーケティング領域の中で、(1)→(2)→(3)というように進んできており、現在は肉食系が花盛りである。ただ、肉食系マーケティングは、うまく使わないとお店にダメージを与える場合があることと、基本的に客の回転率が良く購買単価の高い飲食店か、変動費がほとんどない一部のサービス業しか使えない事が課題であり、おトク感だけで煽るのも、そろそろ限界ではないかと感じている。

次の時代の方向性は見えてきていないが、買い回りへと動いていることは確かであり、(4)に向かっていると思いたい。

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