2011年10月3日月曜日

アンノウン

事故によって記憶に混乱をきたした男の話。

記憶が部分的になくなり、自分の置かれている状況が分からなくなるだけならまだしも、記憶を取り戻した後に、従前の価値観を失うのは、少し違うと感じた。もしそうであるなら、今までも自分の生き方に疑問を持ちながら、過酷な職務を遂行していたことになる。部分的に描かれる当時の様子にそのような悩みや葛藤は存在しない。

リーアム・ニーソンと言えば、「96時間」も面白かったが、凄みのあるアクションと優しそうな表情・人柄のギャップが、ストーリーの謎を深めているように感じる。

事故で生死の縁をさまよい、そのため記憶が混乱する。病院で目覚めても、自分が何のために、そしてなぜここにいるのかも分からない。テレビを見て断片的に思い出していくのだが、その断片感が少しご都合主義的で、より事態が混乱していく。後で考えると合理的な、様々な登場人物の行動も、その理由はようとして知れない。

最後の最後で全てを思い出すのだが、その期に及んでも、かつての価値観を取り戻すことはない。なぜ?一見楽観的な未来への旅立ちに向けた最後の仕掛けも、どうやって?という疑問は免れないし、そもそも楽観的な旅立ちにはなり得ないだろう。

途中までは面白かったが、最後に失速。少しシナリオの詰めが甘いかな。

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