2011年10月17日月曜日

街歩きのセレンディピティ

セレンディピティ(英: serendipity)は、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。

セレンディピティの有無は、人生の広がりにおいて、大きな意味をもちそうだ。ほんの些細な事の観察から、別の意味ある何かを発見する力をもつというのは、才能や観察力だけでなく、幅広い興味や価値観を求められる。人間は極めて合理的にできているので、興味がないものに思考力を使うことはないばかりか目にも留まらないというのが普通だろう。

にも関わらず、求めているものとは違う何かの価値を見出すのは、言葉で言うほど簡単ではない。まさに「セレンディピティ」という能力があればこそだろう。

インターネットの世界は実に混沌としていて、実はセレンディピティを発揮するのに適したフィールドなんだろうと感じていた。つまり、一つの情報を目的を持って探しても、別の情報が抽出されてくるからだ。自然と多くの情報に触れる機会が生まれ、それがある種のセレンディピティアクセラレータになっていたように思う。

一方で、最近の検索は非常に精度が高くなっており、探している言葉に対して、かなりの確率で答えが導き出せるようになってきている。逆に、トンチンカンな答えというものが減って、「別の意味ある何か」を見出すことは非常に難しくなってきている。

精度の高い検索が示す未来は、寄り道のない人生のようなもので味気ないが、精度の低い検索なんて利用価値がないと思う。

全てのフィールドでセレンディピティを生むような仕掛けを埋め込むことは難しいだろうが、一部に限定すればできそうだ。実にKozchi-mecke!-がその一つの解になると考えている。

Kozchi-mecke!-が以前より提唱しているように、お店を偶然に見つけることは、街歩きの本質だし、非常に重要な行動だと思う。この記事がそれを証明している。

iOS執事のAlfred、レストランのおすすめは偶然から
しかし、最も重要なデータはユーザーが実際どのようにアプリを使っているかに関するものだ。具体的には、Alfredに送られるリクエストの94%は「セレンディピティー」[偶然の巡り合わせ]によるもので、明確な検索はわずか6%だった。

つまり、94%にも及ぶ人が、明確な目的を持ってお店を探していないということで、何らかの情報トリガーによって「偶然に」見つけ出しているということになる。

Kozchi-mecke!-は偶然の出会いを促すことを一つの目的としている。

同じく、この記事も示唆に富んでいる。

成長まちがいなしのセレンディピティ分野? SNS情報を統合して、今いる場所の「再発見」を目指すRoamz登場
いずれにせよ、現在は位置情報に基づく「新たな出会い」(セレンディピティ)をうまく演出できるアプリケーションはない。今はまさにそうしたサービスが待ち望まれているのではないだろうか。

Kozchi-mecke!-は「街の再発見」が一つのテーマだ。戦略ストーリーを考えたときに、明確に示している。

そう。言いたいのは、街中でお店を見つけるというフィールドにおいては、セレンディピティを補完することができそうだ、ということ。そしてKozchi-mecke!-も、そういったセレンディピティ補完サービスの一つだということである。

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