2011年10月31日月曜日

行動の目的ときっかけ

どこかに行くと決めた時、そのきっかけは人、店、街の3つに分かれるように思う。

「人」は、友人知人から有名人、無名の講演者など色々いるが、その人に会う、もしくはその人の話を聞くことを目的に、決められた場所に行くことになる。「店」は有名店や新しいお店や馴染みの店などだろうか。そして「街」の場合は通常、有名な街に行くものだろう。端的に言うと名前の売れている街だ。

それぞれは何となく、人と場所の要素が混ざり合う割合の違いでしかないようにも思えるが、「街」が最終的に行動を決めている場合が多い。人が行動のきっかけになる場合も多くは「さてどこに行こうか?」となるし、集客力のあるお店の多くがチェーン店で、それ自体が行動のきっかけになることはあっても、行き先を決めるほどの力はない。

そう考えるとやはり、街の魅力が集客力のベースになるんだろう。街が本来持つ魅力に加えて、バラエティ豊かな多くのお店が集まることで、その力を倍加させていると言える。

翻ってサービスという観点ではどうだろう?

行動のきっかけとしての「人」をサポートするサービスは、Facebook、mixiなど数多い。ソーシャルグラフという言葉が使われ出してから「人」に向けたサービスは増える一方だ。同じく「店」を紹介するサービスもタウンページ、e-まちタウン、ぐるなび、ケイティに代表されるように数限りなく存在する。これらは全て行動のきっかけになるように設計されている。


また「人」と「店」をつなぐサービスとして、友人・知人とのつながりと場所への帰属に着目したFoursquareやロケタッチ、利用者の視点で店を評価する食べログ、30min.、イベント性を組み込んだGroupon、イマナラ!というサービスもある。一方で「街」を紹介するサービスはほとんど存在せず、それぞれの街がそれぞれにホームページを立ち上げて周知に励んでいる程度だ。これらのホームページは、お世辞にも行動のきっかけになるとは感じられない。

つまり人の行動として、「街の魅力+多彩なお店の存在」が重要なファクターになっているにも関わらず、そこを掘り下げることのできるサービスは存在していない。

ごのギャップは埋め難い。

なぜなら、サービスの対象を「街」とした途端に、誰に向かって話をしたらいいのかが曖昧になるからだ。特に我が街の魅力に対して無頓着であればあるほど、サービスの受け皿としては頼りないものになる。どの街も「色んな人に来て欲しい」「街を活性化したい」と考えてはいるが、実際の所何をすべきか、どこにフォーカスすべきかを深く検討してはいない。

街の魅力をアピールして、多彩なお店に集客をもたらすようにするには、街のどこにいても、迷子にならないことが重要だ。そして、街の意図に沿って効率的に誘導することも必要だ。見せたい場所、来て欲しい場所を、人が歩ける範囲で近い順に提示してみせることができれば、街にも店にも人にも有益だろう。あっちにもこっちにも良い所がありますよ、ではなく、こっちに行けば、そことそこに良い場所がありますよ、という提示の仕方が、歩ける距離感にあるローカルサーチには不可欠だ。

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