2012年8月8日水曜日

柔道と領土問題

ロンドン五輪での柔道(JUDOと書いた方が適切かも知れない)を観ていると、領土問題というか二国間紛争を連想する。

かつての大戦のように、勝つも負けるも一本と言う時代は終わり、どちらが多く有効ポイントを稼いだか、また、相手のミスを誘ったか、が勝負のカギを握る。竹島、尖閣諸島、北方領土はいずれも、その勝負の土俵に立っている事になる。いずれも先延ばしにしてきたので、今になって三つ同時に大事な試合が始まってしまった。

今回のJUDOで印象的だったのは、相手のミス(例えば消極的姿勢など)の積み重ねだけで勝利する例が多かった事だ。三位決定戦や決勝戦でも見られた。観てる方からすると面白くないのだが、勝負を決する時の国際ルールは須らくそうなってきている。それに対する日本の立場は変わらず「一本を取る柔道の追求」だ。JUDOはそれでは勝てないという、4年前の石井慧の正しさが図らずも証明されてしまった。

領土問題を振り返ると、例えば竹島で国際司法裁判所に持ち込むのは、第三者の目で揺るぎない評価を獲得するという意味で、「一本」狙いだろう。たぶん、これでは勝てない。最後の駄目押しとしてなら理解できるが、まずはポイントの積み重ねが大事と思う。それは、尖閣諸島や北方領土も同じだ。

法的正統性をのみ拠り所にする、日本の美しき一本柔道の時代が終わった事を理解する必要があるだろう。

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