2009年6月10日水曜日

後戻りのできない日本

今後の少子高齢化社会を想像すると、悲観的な未来しか思い描けないのが哀しい。よく、行き過ぎた資本主義を是正して、自然を愛し、心豊かな社会にしようじゃないか、拝金主義はもうゴメンだ、というような論が見受けられます。

分かります、分かりますよ。そういった社会ができればどんなに素敵なことでしょう。問題は幾つかしかありません。解決して、皆でお金じゃない、物質的満足じゃない世界に向かいましょう。

問題の一つは、このロジックは少生産少消費を目指すことになる、という事です。売るのも買うのも作るのも少なく、それゆえ研究開発に投じれるお金にも限界があり、世界的な競争からは完全に取り残される、ということ。

まあ、これも甘んじて受けましょうよ。別に世界一の経済大国を目指さなくても、世界一心が豊かになれれば良いだけですから。お金がないから、車も最新家電もいらんでしょ。皆でバーベキューでもすればココロもカラダも温まりますしね。ただし、和牛の霜降りはダメよ、高いからね。

じゃあ、身近なリゾート、熱海にでも居を構えて、週休4日ぐらいでゆっくり過ごしましょう。高度成長期の名残で廃墟と化したホテルばかりだけど、再開発するお金もないもんね。ちょっと治安も悪そうだし、雰囲気も良くないけど、ガマンしようよ。皆で力を合わせれば、何とかなるよ。

やっぱり、田舎に引っ込んで自給自足かな?生産調整で役立たずになっちゃった農地も時間をかけて開墾すれば元通り。自分で食べれる分だけ作るのだったら、何とかなりそうだね。社会性は仕事を通じてではなく、ネットで担保するのかな?それも時代だね。漁業は苦しいかな?燃料費は上がる一方だしね。帆船を使えば、何とかなるか。自然エネルギーでコストを抑えて、安くて良い食材を家庭に届けられるかもしれないね。

こんなことを考えると、日本はすでに後戻りのできない状態にあることが分かる。どんなにエコを叫んでも、どんなに心の豊かさを重視しても、成長を続ける以外に道はない。拝金主義だと言われようが、破滅的だと言われようが、スクラップ・アンド・ビルドの中でおカネを使いながら、少しずつ軌道修正していくしかないんだと思う。

これからの世代は益々負担が大きくなっていくのは確実だ。少なくとも、高度成長期に意図せず作ってしまった不良資産を、莫大なおカネを投じて廃棄することから始めなければいけないから。しかも、長期ビジョンに立った創造的破壊として。

今までの日本人が最も不得手としてきた意思決定・行動ブロセスのように思えるけど、本当にできるのかいな?

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