2010年3月19日金曜日

日本破綻

藤巻健史の「日本破綻」を読んだ。一言で言えば、日本はこのままで行くと遠からず破綻するので、円安に誘導して時間を稼げ、ということだ。内容的には重複が多くかったるいが、自分の問題意識に近く、何かと考えさせられた。

本書を手に取ったきっかけは、住宅ローンの借り換えを検討し始めたことだ。もともと、8年ほど前に家を買ったのは、我が国が持つ債務の大きさから、近々に経済はインフレに進むだろうと予測し、負債を固定金利で持つのが一番賢いだろうと判断したからだ。

今は非常に変動金利が安く、かなりの人がこちらを選ぶらしい。銀行では、しきりに変動金利型ローンを薦められる。日本経済も低調で、デフレが伸長し、反転する兆しも見えないので、全く合理的な行動だろう。

一方で、一旦インフレ傾向に傾くと、たぶん良い頃合で止めることはできず、一気にハイパーインフレへと流れて行く可能性も高いと思う。その際に、変動金利から固定金利に柔軟に動けるかと言うと、かなり難しいと感じる。株をやったことがあり、損切りをする勇気がある人はその限りではないが、少なくとも自分には難しいと思う。

そもそもの赤字国債の大きさは、家を買った当時に比べても倍ぐらいになっており、国家破綻と金利の急上昇は、その危険度をますます高めていると言える。

そのような中で、藤巻さんが指摘する円安誘導アプローチは、様々な課題解決の基礎となる考え方だと思う。将来世代からの税収を期待する赤字国債をなくす事を目的とするならなおさらだ。

我々が負担せざるを得ない900兆円にまで膨れ上がった借金を返して行くためには、金融政策的な借金の圧縮と、経済成長による個人・法人を問わない税収増しかないだろう。

このソフトランディングを目指した、極めてデリケートな綱渡りのような経済制御には、官民をまたぎ、国を貫くコンセンサスの醸成が不可欠だろう。

一方で、以下のような意見を持つ方が、現状としてはかなり多いと思うと、道のりは遠く、険しい。

「少子高齢化を日本の経済低迷の原因にするのは、もう止めよう。そして成長戦略だけを追い求めるのも、もう止めよう」http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2010/03/post-33b6.html?ref=rssall

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