2010年5月12日水曜日

認知バイアス

人間の認知能力には、状況に応じて様々な偏った見方(バイアス)が加わる。例えば、同じ事を言っていても、信頼している人から聞くのと、アカの他人から聞くのとでは、その確からしさは全く違う。

そのようなバイアスの一つに「近視眼バイアス」と言うのがあり、個人的にはかなり重要と考えている。

近視眼バイアスとは、近くのモノが過大に、遠くのモノは過小に評価されるという傾向だが、これは様々な形で応用される。近い/遠いと言うのは、空間軸でもあり、時間軸でもある。

例えば、将来の損失は小さめに、直近の利益は大きめに評価される。よくあるのが、投信など金融商品における、分配金と為替リスクのようなものである。分配金は大きく、為替リスクは小さく捉えられる傾向がある。

ここで、もう一つの大きなバイアスに気づく。「具体バイアス」である。つまり、具体的な事象は大きめに、抽象的な事象は小さめに伝わる、ということである。これは、具体的なモノの方がその影響が見えやすいので当然だろう。分配金は具体的だが、為替リスクはあくまでもリスクに過ぎず、抽象的だ。

以上をまとめると、近くで具体的なメリットと、遠くて抽象的なリスクの組み合わせを、しっかり説明できる商品やサービスが、ヒットの可能性を秘めていると言えるだろう。

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