2010年9月15日水曜日

ビジョンの重要性

グーグルとアップルの戦いを端で見ることになってしまった日本勢を見るにつけ、これからの時代は総合力なんていう曖昧な言葉ではなく、ビジョン(やコンセプト)が重要なんだと再確認した。

ビジョンはそれを考える主体によってレベルはバラバラで、ある時は曖昧だが、別の時には具体的になる。総合力は常に曖昧で具体的イメージがないところが違う。

今、元気が良い企業は、創業者が陣頭指揮している企業か、中興の祖と呼ばれる創業者に近いメンタリティを持ったリーダーが大鉈を振るっている所か、どちらかだ。つまり、ビジョンが極めて明確な企業が栄える時代になっていると言える。

かつては、何をする企業かが曖昧でも、総合力が高く、何でもできる企業が力を持った時期もあった。それは、塊としての人間の総量が企業の力だった高度成長期だ。今の中国やインドはそうなんだろう。

そう考えると、ビジネスはビジョンに始まり、総合力という名の人海戦術を経て、ビジョンに戻る、と言うことか。最初のビジョンから総合力への変化は、企業規模の拡大と呼応して自然に行われるが、次の総合力からビジョンへの移行は、相当意識的に行わないと難しい。

この二つ目の変化は、DNAとして変化を刻みつけている会社か、奇跡的に中興の祖が出現する以外にあり得ないかもしれない。

実際、中興の祖が生まれる土壌として、そのトレーニングの一つに、新規事業を立ち上げるリーダーとして30代のうちに抜擢する、ということを提唱している経営者もいるが、それは変化を前提とした会社だけが実施できる教育方法だろう。つまり、通常の会社で中興の祖が生まれる確率は限りなく低い。

もう、総合力で勝負できる時代は終わった。

総合商社、総合電機、そして総合建設業者は、その看板を下ろす時が来ている。ただし、変化することが少しでもDNAに刻まれてないと、看板を下ろすのは容易ではない。究極の選択が待っている。

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