2010年9月27日月曜日

京都・伏見寺田屋

また京都に行く機会があったので、今回は伏見に行ってみた。目的地は寺田屋。

京都駅から近鉄に乗り桃山御陵前駅で下車。ここは、京阪、JRが入り乱れる関西の鉄道会社にとっての激戦地の一つだろう。

駅前はかなり栄えており、商店街も立派。数えてはないが、トータルで400軒前後はありそうなくらいで、平日の昼間にも関わらず多くの人出があった。思ったよりもずっと活気があり、しかも整備も行き届いているので、気持ちよかった。


駅前の商店街を抜けたところから左に曲がる少し規模の小さな、しかし小綺麗な通りを抜けるとアーケードがなくなり、龍馬通りという商店街へ。ここは坂本龍馬の遺産で食べているような場所で、何かにつけ龍馬、お龍の連呼で、有り体に言うと観光地の土産物ストリートだった。

その通りを抜け、川に突き当たったところを右に曲がると目的の寺田屋、左に曲がると黄桜の工場と伏見土佐藩邸跡がある。

そう言えば、伏見は酒処だった。若干の誘惑を振り切り、寺田屋へ。



wikipediaを読むと、今の寺田屋は当時のものではなく、復元されたものらしい。ただ、誰かに指摘されるまでは公表してなかったようで、何となく胡散臭い雰囲気が漂う。wikipedia上では頻繁に「◯◯と称する」という記述が続く。現在も、その旨のマトモな説明などはなく、あたかもオリジナルに一部改築を加えただけのように見せかけている。

到着したのは10時半ごろだが、既に行列ができておりオープン早々忙しかったのだろう、態度の悪い受付に400円払って入場した。

中は、あらゆる物がニセモノのように見えた。様々な書や写真があったが、全部解像度の悪い写真を引き伸ばした物で、なおかつ出典とか原典とか、本物はどこに置いてあるとか、著作権を始めとする権利に関する記述が一切なかった。原本が展示してある場所に行って、コッソリ撮った写真を加工して、勝手に二次利用していると思われてもしょうがない展示方法だ。

ピストルや刀も「お手を触れないで下さい」との注意書きの下、無造作に展示してあったが、本物に近いようなレプリカならその程度で済むワケもなく、プラモデルに近いレプリカであると推察される。

また、坂本龍馬や中岡慎太郎の有名な写真をパネルにして、3000円で売ってたりする。もちろん、権利に関する但し書きはない。史跡としての碑が立っていたが、非常に中国的な空間だと感じた。

本物の寺田屋は鳥羽伏見の戦いで焼失したと言われる。室内の柱に、誰々から拝領したとか、刀傷とか弾痕とか書いてあるが、それも怪しいだろう。間取りも本当がどうかは分からない。

建物を復元するのは良い事だと思うが、ニセモノにしてしまっては意味がないと思う。せめて中にある展示品を、もうちょっとマトモにして、原本を保管している組織なり博物館なりから、ちゃんとお墨付きを貰うようにしないと、ダメだろう。

今の状態は、単に坂本龍馬のスネを齧っているだけに過ぎない。価値を定義し直さない限りは、いつかは賞味期限が切れてしまう。そして、全てを失ってしまう。そんなことは、龍馬もお登勢も望んでないだろう。

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