2010年10月11日月曜日

CEATEC2010

毎年のことだが、CEATECはスゴい人出だ。今年の目玉はスマートフォンと3D。シャープ、サムソン、AU、ドコモの辺りはスマートフォンだらけ、三菱、ソニー、東芝、シャープあたりは3Dだらけだった。

スマートフォンに関して言うと、みんな疑問だったと思うのは、iPhone/iPadと何が違うのか、という点。

シャープはやたらとガラパゴスを押しており、もう一つの目玉である液晶テレビは少し影が薄かった。せっかく3Dとかクアトロンとかだしてたのに。

ガラパゴスの展示を見てるとシャープのドヤ顔が目に浮かぶようだった。

「アップルはん、よくも今までええ様にやってくれはったな。でも、こんくらいの事、わてらも朝飯前でんねんで。見てみーや、このできの良さ。あんたら、ナニワの商売人をなめとったら、奥歯ガタガタいわせたるぞ!」

てな感じ。

でも、そんな東アジアお得意のリバースエンジニアリング丸出しのレプリカを望んでいる人っているのかしら?作れる能力を持っているとか、コンセプトは昔からあるとか言っても、やっぱり最初に作ることに意味がある。後続は、真似っこでしかない。

しかも、消費者が必要としているのは、便利になる、楽しいプラットフォームとコンテンツであり、それをハンドリングするデバイスは、正直、何でもいいと思っている。だから、ドヤ顔でデバイスをアピールされても、別に何とも思わない。やるなら、プラットフォームの名前をガラパゴスにして、デバイスは何でも使えるけどシャープ製品が一番気持ちよく使えるよ、というスタンスで売り出して欲しかった。

なので、全く残念なスマートフォン展示だった。OSはAndroidだし、デバイスだけの勝負なんて、すぐ陳腐化して消耗戦に陥るか、全く売れずに撤退に追い込まれるかのどちらかだろう。未来は暗い。

一方で3D。今までバカにしてたけど、今年はスゴい。でもソニーだけ。



多くのメーカーは今まで通り「3Dシアターをリビングで」という使い古され、かつ、皆が冷ややかに見ているキャッチフレーズの延長線上での商品開発を進めていた。

32インチで3D見ても、何にも出てこねーよと思うし、そのために視界が狭く、暗くなるメガネをかけるなんてあり得ないと思う。それほど3Dで見たい映像も無ければ、相応のコンテンツも無いので、どうにもならないだろう。それをコンテンツマネジメントの仕組みも作らないで、これまたデバイスだけ売ろうなんて、ムシが良すぎじゃないかな。

3Dは飛び出す画像を見て、オースゴい!と展示会で感嘆するだけの客寄せパンダみたいな位置づけに変わってきているように思えてならなかった。

今年のソニーは違った。
LEDの超大画面にど迫力な3Dコンテンツを映し出し、他のメーカーはデバイスの性能を強調していたのに対して、ソニーだけが映像の全てをマネジメントできる唯一のメーカーであることをアピールしていた。


今の時代、キレイなデバイスを作れる事は大した優位性にならない。そこにどんなコンテンツを、いかに作り、どうやって届け、どのように見せ、管理するか、といった一連のコンテンツマネジメントの握り方が何より大切だろう。デバイスなんて、そのパーツの一つでしかない。

それを理解し、相応の企業活動に結びつけられているのは日本勢だとソニーだけだろう。アップルに対抗できるのは何だかんだ言っても、ソニーしかいないということか。

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