2010年12月27日月曜日

スカイ・プラネタリウム

六本木ヒルズのスカイ・プラネタリウムに行った。昔なじみのプラネタリウムのイメージで入ると、ちょっとがっかりかもしれないが、企画展というテンポラリーな位置づけとしては、なかなか興味深かった。

まず、料金が高い。大人1800円、子供800円。これがそのままプラネタリウムの料金だと考えると、ほとんどボッタクリバーのような印象を受ける。冷静に内訳を見ると、展望台の階に上がるのに大人は1500円掛かる。つまり、プラネタリウムは300円だ。こう考えるとコストパフォーマンスは高いと思う。逆に、展望台に1500円、屋上(スカイデッキ)に出るのにさらに300円も取るのは法外だろう。六本木ヒルズなんて、東京タワーと違ってオフィスなんだから、オフィス賃料に展望台運営にかかる費用を織り込んだらどうなんだろう。ビルの資産価値を高める為の施策だと言えば、テナントもノーとは言わないように思うが。

さて本題のプラネタリウムだが、がっかりなのは基本的に立って歩きながら鑑賞し、どちらかという静的な展示だったからだ。プラネタリウムというのは、何らかのストーリーがあって、座席に座って星の運行や星座の成り立ちを聞きながら、自然と眠ってしまうというのが良い所だったと思う。今回は、企画展なので人を捌いてなんぼ、という感じで一列に並んで静かに進んでいくという美術館方式だった。ちょっと求めるものと違う。

で、肝心の内容だが、ものすごい量の星をプロットしており、壮大な宇宙空間をイメージさせるには十分だったかもしれないが、私たちが普段見上げる星空をベースにするのではなく、そこから宇宙の果てまで137億光年の広がりを表現しようとしている事に違和感がある。なぜなら、プラネタリウムで見たいのは宇宙ではなく星空だから。

壁面に学習的な内容を盛り込んでいたが、少し分量と表現方法は検討の余地があったのではないか、と感じたし、宇宙空間を模擬したトンネルのチャチさもあまり良い印象を抱かなかった。最後のメガスペース(?)という四角い部屋を従来のプラネタリウム調にしてみた部屋があったが、意味不明だった。

総じてあまり良いプラネタリウムではなかったし、これがプラネタリウムだと思っている初体験の人には勘違いを与えてしまっているように思う。まあ、300円という金額が要求する価値はこんなもんだとは思うので、そこだけを見ると及第点だろうが、そこに上がるのに1500円を追加投資しなければならないことを考えると、がっかり施設と言わざるを得ないだろう。

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