2011年1月14日金曜日

アイドリング・ストップ

最近の自動車エンジン機関のパラダイムチェンジは示唆に富んでいると思う。

少し前までは、誰もがEVを叫んでいたし、その過渡期としてのハイブリッドを賞賛していた。その証拠に、プリウスの国内販売台数がカローラを抜き歴代一位になったそうだ。大衆車の権化とも言えるカローラを抜くってスゴい。

確かに、最近プリウスを見かける数は半端じゃない。個人的には嫌気が差していて、よくあんな車買うな、という感想を持っているが、単に自分のエコ意識が低いだけとも言える。先日も往復5kmほどの道のりを、1プリ、2プリと数えながら走って駐車場に入れる、その間だけで15台ほども見かけ、さすがに多すぎるだろうと感じていた。

プリウスはCO2至上主義で、自らの存在が地球環境に及ぼす影響を最小化することを命題にしている。そのために、より多くの資源を使っているが、それもこれもCO2排出量換算した数字だけが評価軸だ。

自分は以前から、環境とCO2をリンクさせて語るのに違和感を感じている。温暖化の理由はCO2ではないかもしれないし、CO2であったとしても、それを唯一絶対の価値にするのは間違っていると思っている。

世論や研究がどのように進んだとしても正しいのは、資源をなるべく使わないことだろう。資源を未来の人達が使えるように、使い切ってしまわない努力が必要だ。

そういった面で、プリウスやEVには非常に疑問を持っている。少なくとも電池という希少な資源を、通常のクルマに比べて余分に使っていることは明らかだからだ。

もちろんCO2って言うのは、多くの場合、建前でしかなくて、燃費が良くてランニングコストが安いのが、消費者にとっての本音の価値になると思う。そう考えると必ずしもハイブリッドでなくても良い、という結論もある。

フォルクスワーゲンなんて良い例だろう。小さなエンジンと出力を補う過給器、さらに効率の良いミッションを合わせることで、高効率機関を実現している。さらにアイドリング・ストップを加えることで、ハイブリッド並の燃費を実現している。

少ない資源で使えるように、効率を上げて行く。

決して、電池で見かけの化石燃料を減らすことを目的とせず、車らしさを残しながら、資源効率を高めて行く。つまり、資源効率の良い小さなエンジンを使って、どうやって消費者に満足してもらえる車を作れるか、これは正しい道だと思う。

この事で分かるのは、目の前の課題に対して、本質を削り出すことはパラダイムシフトを生む、という事実だろう。

どのように本質を見い出し、本質以外を勇気を持って削って行くかは、今後、商品やサービスの開発において、最も重要な価値となるだろう。

2 件のコメント:

  1. 廃棄することを考えたら、ハイブリッドやEVはとても環境に良いとは言えないと思うのですが・・・。
    日本の自動車メーカが未だにトルコンとCVTという伝達効率の悪いトランスミッション(しかし安価)を使っているのは残念です。

    返信削除
  2. 日本の自動車は、本当に魅力がないですね。。。自動車というモノの本質に迫っていないように思います。日本の大企業が意味のある商品を作り出せるようになるのは(復活するのは)一体いつになるんだろう?NECが自信を持って作り出したAndroid端末スマーティア(http://smartia.biglobe.ne.jp/)といい、Sharpのガラパゴスといい、プリウスといい、CR-Zといい、リーフといい、見てると悲しくなります。環境という価値観をCO2に収斂させる事が、全ての元凶だと思います。

    返信削除