2011年1月19日水曜日

GPSに頼らない意味

マチカドサーチエンジンは自己位置認識にGPSを使わない。

一つにはGPSの精度がイマイチで不確実であるからだ。数年前までは、GPSというのは軍事色が強く、意図的に精度を下げていた。その精度は誤差100mほどはあったと思う。GPSを活用したシステムとしてカーナビが代表的だ。カーナビは非常に高精度に自己位置をトレースするのだが、GPS精度が低い時代には加速度センサー、ジャイロ、マップマッチングといった様々な技術を複合する事で精度を確保していた。

最近では、米国が規制を緩め、おおよそ誤差10m程度にはなっているはずだ。また先日、日本もGPS衛星を準天頂軌道上に打ち上げ、更に数年に渡って複数機打ち上げる事で、精度を1mにまで向上させる計画だ。

技術革新とともに向上するGPSの性能だが、どうしようもない課題もある。一つは屋内、特に地下はエリア外になることだ。最近の携帯電話は、基地局の位置からおおまかな場所を捉える事ができるようになっているが、折角の1mの精度は屋内では役に立たない。あと、余り知られていないが、大気の状態によっても誤差が生じる。GPSの誤差を利用して天気予報に役立てる研究があるぐらいだ。

また、GPSを活用したシステムは、アプリへの負荷が大きい。動きが緩慢になったり、一度捉え損なった場所で執拗に検索をかけたりして、意外にうまく動かない事もある。iPhoneやAndroidといったスマートフォンは、まだまだ電池が弱く、電池を長持ちさせるTipsに位置情報サービスをオフにする、というものもあったりして、携帯電話の本質的な機能とのトレードオフになってたりするのもイタい。

マチカドサーチエンジンでは、各施設(お店)にユニークなメールアドレスを割り振り、その属性情報として緯度経度を持っている。つまり、メールが位置を知らせてくれる。もちろん、正確な自己位置ではない。正しくは、ある施設(お店)の位置を示しているに過ぎない。ただ、このシステムの利点は、上記のGPSの弱点の裏返しだ。

・メールしか使わないので、老若男女の別なく、誰でも使える。
・メールしか使わないので、屋内/屋外に関係なく、どこでも使える。
・天候や大気の状況に左右されない。
・必要以上に電池を使わない。
・携帯電話の本質機能(メール)を使っているので、使われなくなることがない。
などなど

大変なのは、各施設(お店)に割り振ったメールアドレスを、利用者に認知してもらう事。そんな訳で、たぶん類似サービスとは競合しない。施設(お店)の情報へのアプローチが違うし、サービスを成立させるための力点が違う。

まあ、そんなこんなでマチカドサーチエンジンにGPSは不要です。(今のところ)

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