2011年5月11日水曜日

大規模集客施設への適用可能性

ファインド・アラウンドは大規模集客施設で使ってもらうのが、第一段階としては正しいのではないかと考えている。ららぽーとのような施設がベストだろう。

先のたまプラーザでの実証を経て感じたのは、商店街は、そこを通る多くの人にとっては一つの通路である、という事だ。つまり、滞留したり回遊したりしている人はさほど多くない。理由は簡単で、商店街の利用者は多くが地元の人だからだ。もちろん、買い物をする機会はあるだろうが、日常的には通勤・通学で通り抜けるだけ、という方が多いだろう。

ファインド・アラウンドは、テナントや施設を繋げて相互連携の中で、エリアに利用者をつなぎ止めるような事を意図したサービスだ。そういった意味では、商店街というのはエリアと利用者のつながりは元より強く、あえてつなぎ止める必要はない。

一方、大規模集客施設はどちらかというと非日常の施設であり、様々な場所から集まった人々に対して、滞留と回遊を求める。長く滞在してもらう為に、エンターテイメント、ショッピング、食事、リラクゼーションと、多様なテナントを用意し、一日の行動の全てをフォローできるような仕掛けを持っている。だから駐車は実質無料に近いし、子どもは子どもで遊べるような施設を組み込んでいる事も多い。

こういった施設は、多様であるがゆえに複雑で、情報が多い。実際300店舗もあると、全てを把握する事は困難だろう。

にも関わらず、客に対するサポートは意外に薄い。せいぜい案内板程度で、あとはインフォメーションで確認するぐらいだ。実質的にお得な情報などは、ほとんど、その場に行ってみないと分からない。探すという行為を楽しむ意図があるのかもしれないが、客の方からすれば、効率的に見つけたいというのも実感として、ある。

施設で案内サービスを用意すると、どうしても施設ごとに異なるサービスにならざるを得ない。施設ごとに異なるサービスは、お客さんに認知してもらい、利用してもらうのが難しい。だから、あまり有効なサービスが無かったんだろうと思う。

ファインド・アラウンドはテナントごとに情報管理を行い、施設はどちらかというとスーパーバイザーのような形になる。だから、どんな施設にも適用できるし、施設が中心にならなくても適用できる。拡張して考えると、施設外の商店や商店街とも自然と連携が取れるという訳だ。

少し話を戻すと、大規模集客施設でファインド・アラウンドを経験した利用者が、最寄りの商店街で同じステッカーを見つけたときに、その商店街の使い勝手は格段に向上するだろう。そして、商店街での利用がたとえ頻度が低くても、大規模集客施設で同じステッカーを見つけたときに、その施設の使い勝手が格段に向上するのは間違いない。

緩い連携が全体の効率性を高める、そんなループが作り出せれば、と考えている。

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