2011年5月23日月曜日

人それぞれ

3.11からしばらく、足が痛かった。というのも、震災当日に30km、7時間歩いて帰宅した、その影響が残っていたからだ。

歩いて帰ったことは良かった。何せ初めての体験だし、一つの経験として必要だと感じた。徒歩帰宅に関して気づいたことは既に書いたが、後日談としての教訓が二つほどあった。他の人にしてみれば当たり前のことかも知れないが。

一つは、体力って動き回るのに必要な筋力、というだけではないことが分かった。

足の痛みは、本当に長引いた。震災翌日の土曜日に、様子を見に会社に行ってみたが、亀のようにしか歩けなかった。その後も平地はある程度歩けても、上りや下りになると、途端に足が動かなくなり、かなり苦しんだ。その痛さは、膝裏の腱と足首の関節に集中していた。両足。

正直言って太ももや脹ら脛といった、通常の歩行や走行に必要な筋肉に関しては、全く問題なく、いつでも走り出せそうだった。が、腱や関節が言う事をきかなかった。あの時、現地に調査に行けと言われても、たぶん見て回ることすらできず、何の役にも立たなかっただろう。

そのような状態の中で、体力って言うのは筋力だけではなくて、しっかり動ける状態を指すんだな、としみじみ感じた。

今回、歩いて帰ったのは間違ってなかったが、今後は体力の維持も念頭に入れて動かなければならない。それが、自分の為だし、周りの人の為だろう。

二つ目は、人には様々な事情がある、ということ。

震災後は、節電でエスカレーターがかなり止まっていた。でも、自分の足は流れに乗れないほど痛かったので、なるべくエレベーターを使っていた。

足が痛くなる前は、若いのに駅のエレベーターに乗る人を見て、なんだかな〜と感じてたが、自分がそのような状態になると、外聞も無ければ、ポリシーも関係なかった。人それぞれの状態に合った移動手段って、あっていい。そして、その移動手段の選択理由が他人から理解できなくてもいい。

人それぞれ、健康状態や体力は違うし、考え方も違う。誰が何をどのように言う事もできないと思う。そんな基本的な事を考えながら過ごした3週間だった。

それにしても、腰もそうだが足の痛みは、体験してみないと分からない辛さがある。上りより下りが辛い。エスカレーターも、多くは上りを残して下りを止めていたが、実は逆の方がいいんじゃないかと思ったりした。大きな荷物のある人はどうせエレベーターを使うのだから。

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