2012年3月7日水曜日

はやぶさ - 遥かなる帰還 -

「はやぶさ - 遥かなる帰還 - 」を観た。子供と一緒に。結構前から「はやぶさ」の映画が観たいと言われてたので、普段、映画館で邦画を観る機会もないが、行ってみた。

感想としては、子供と観る映画ではなかったのかも知れない。後で調べると「はやぶさ」関連の映画は3作ぐらいあるらしく、いずれかのバージョンは、どうやら子供向けらしい。しかし「アポロ13」のように有人飛行のでもないのに、良く3作も作れるもんだと感心した。

内容的にはビクターのVHS開発物語である「陽はまた昇る」を彷彿とさせる、日本人技術者の意地とか根性とか、そういった事が前面に出たもので、サラリーマンにはいいかもしれないが、小学生には共感できる部分は少なかったような気がする。

はやぶさを打上げ、小惑星「イトカワ」につくまで、イトカワ到着後、そして、帰還時と、常に何らかのトラブルが発生し、宇宙開発が一筋縄では行かないことが良く分かる。無人探査線である以上は、搭載されているコンピュータが理解できる範囲の事しか分からない上に、対応方法も、ある程度事前に見込んだもの以上は期待できない。交信できない時も探しにいける訳でもないので、ひたすら待つしかない。たとえ交信が回復しても十分なコミュニケーションが取れる訳ではなく、1ビット通信による、気が遠くなるようなやり取りで、状況を把握し、指示を伝えなければいけない。

個人的に一番興味があったのは、イトカワに着陸する段階でターゲットマーカーを発射し、着陸指令を出していく過程で、JAXAとはやぶさの間の交信に片道16分かかるということだった。つまり、地球でJAXAの技術者は16分前のはやぶさのデータを受け取りながら、16分後のはやぶさに向けて指示を出していく、という離れ業をやってのけたということだ。これが有人と無人の違いで、有人飛行の場合は目の前の事象に対する判断だが、無人飛行は想像上の事象に対する判断を求められる。そこに、はやぶさに関わるエンジニア達の執念を見た気がした。

サラリーマンの自分としては、そこにある技術力や対応力の高さに感嘆する訳だが、主役たる我が娘には何が残ったのだろう。

テレビ放映を考えたカット割りをしていたようにも思えたので、早晩テレビ放映が実現するだろう。こういった、事実をベースにしたドラマは、旬が過ぎると人々の興味があっという間に薄れるから、早めにテレビ放映してしまうのが得策だ。その時に観れば十分という印象をもった映画だった。

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